2007年1月号掲載
頭の悪い人々 人のふり見てわがふり直す「大人の教科書」
著者紹介
概要
場の空気が読めない人、本質を見抜けない人、他人の迷惑に気づかない人…。本書は、そうした“頭の悪い人”をタイプ別に取り上げて、その症状を示し、そして頭のいい人に生まれ変わるためのアドバイスを行うもの。著者は、『「分かりやすい説明」の技術』シリーズ(講談社)で大ヒットを射止めているだけに、本書も極めて“分かりやすい”内容になっている。
要約
何が頭のよしあしを決めるのか?
頭のよさとは、“勉強ができる”など、ある行動や現象だけを見て判断できるものではない。
人間がバカか利口かを判断する基準は、その人の人生目標に照らし合わせて考えなければならない相対的なものである。
例えば、日本一の大工を目指し、毎日努力している青年は、学歴などとは無関係に「頭がいい人」といえる。こうした人は、色々な分岐点にさしかかっても迷わない。どちらに進めばよりゴールに近づけるか、その視点で物事を考えるからだ。
だが、目指すべきゴールがない人は右に進むか左に進むかさんざん迷う。そして、その日その日を何となく過ごすことになる。どんなに高学歴でも人生の目標がない人は、「頭の悪い人」である。
また、目標があっても、遠回りしたのでは頭の悪い人になる。人生の持ち時間には限りがあるから、目標に向け最短距離を行くのが賢いやり方だ。
つまり、頭のいい人とは「自分の人生目標に向かって最短距離を歩んでいる人」、そして、頭の悪い人とは「自分の人生目標に対して遠回りをしている人」である。
この定義に従って世の中を眺めてみると、実に様々な頭の悪い人が存在する。
①気づかない人
・人の話を聞かない人
議論に熱くなり、ひたすら主張する。自分の間違いを認めない…。こうしたタイプは、コミュニケーション力に問題がある。
コミュニケーションは、自分が発信する情報が相手に受信(理解)された時に成立する。
大声でガンガン言う人は勘違いをしている。それは「相手の受信量は自分の発信量に比例する」という勘違いだ。だが、どんなに発信量を増やしても、それを相手が受信しなければ意味がない。
上手にコミュニケーションするには、「相手の受信量を増やす」ことだ。それには、まずこちらが「聞く」姿勢を示すことが必要である。