2007年6月号掲載
人に好かれる法
著者紹介
概要
誰もが人に好かれたいと思い、人に好かれるように努力するならば、この世は、それだけでも暮らしよい世の中になるに違いない。しかし、正直に暮らすことがやさしいようで難しいのと同じように、人に好かれるのもやさしいようで難しい ―― 。日々の暮らし方、人との接し方、人間としてのあるべき姿について、半世紀を超えて蘇った名著に学ぶ。
要約
人に好かれるには?
誰もが人に好かれたいと思う。しかし、それはやさしいようで難しい —— 。
たで食う虫も好きずき
昔から、たで食う虫も好きずきという通り、「こういう人なら誰にでも好かれる」と、1つの型を決めるわけにはいかない。ある人には毛嫌いされる人でも、ある人にはなくてはならぬ人であるというところに、また人生の妙味もある。
我々は子供の時、青年時代、老壮年と、それぞれの年代において好きになる人の趣が変わる。
また、一緒に住むに好ましい人、職場で共に働くのによい人、遊び仲間として馬の合う人は違う。
このように我々はその時、その場所の都合で好き嫌いが変わっていく。これは善でも悪でもなく、それでいいと考えるより仕方のないことである。
人の好き嫌いこそ自由であり、時間さえこれを縛ることはできない。3年越しの恋も些細な言葉一つで瞬間に消えることがあり、10年の友人もわずかの金のことで敵になる。
これほど、好悪の感情は自由自在なのである。
人に興味を持つ
世の中には、心底から人間の嫌いな人がいる。
人間嫌いで有名なある文人が散歩の途中、20年前の友に再会した。友人が狂喜して握手を求めると、文人は気のない、迷惑そうな面持ちで「ああ君か」と言って、そのまま歩き出したという。
晩年になると、こういう傾向が極端になり、全く孤独になる人がいる。
それではいけない。我々は、まず人間として好まれ、親しまれる必要がある。