2007年10月号掲載

アメリカのベジタリアンはなぜ太っているのか?

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著者紹介

概要

アメリカ人の発言と行動は矛盾している。その象徴的な事例が、ベジタリアンだ。彼らは健康やダイエットに気を使う一方で、食に対する欲望や自由な生活を捨て去ることができない。ゆえに、その多くが太っているのである。では、なぜこうした矛盾が生じるのか。本書は、宗教、能力主義、格差など様々な事例について分析し、その理由を解き明かしていく。

要約

不可解な米国人の心理と行動

 アメリカ人ほど、言うこととすることのギャップが大きい、矛盾した国民はいない。例えば、自由、民主主義など壮大な理想を掲げるが、その裏では全く逆のことを行ったりしている。

 こうした矛盾はなぜ生じるのか?

 肥満、宗教、格差など、今のアメリカを象徴する事象をもとに、その不可解な心理と行動を分析すると ——

ベジタリアンなのになぜ太っているのか?

 アメリカ人の肥満の実態はすさまじい。

 現在、アメリカ人の約3人に2人は太り過ぎで、このうち半数近くが肥満とされている。

 そして、糖尿病や高血圧など、肥満を主な原因とする病気で毎年約40万人が死亡し、肥満に関連する医療費は天文学的な数字になっている。

 このような中、人々は様々な減量法やダイエットを試しているが、虚偽広告に騙されるばかりで、ほとんど効果は上がらない。

 最近では、「いっそのこと胃を小さくして、量を食べられなくしよう」と、胃のバイパス手術を受ける人が増えているという。

 彼らは欲望を抑えるのが苦手で、自由で快適な生活スタイルを諦めることができない。だから健康やダイエットに気を使いつつ、一方でハンバーガーなどのジャンクフードを食べ続けるのだ。

 このような行動の矛盾は、アメリカ人の中でも特に健康的な生活をしているとされるベジタリアンにも見られる。

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