2008年4月号掲載
経営の未来 マネジメントをイノベーションせよ
Original Title :THE FUTURE OF MANAGEMENT
著者紹介
概要
従業員をいかに管理するか。それを考えるのが、20世紀のマネジメントだった。だが、これから必要なのは、従業員に権限を与え、彼らが自発的に働けるような環境を整えること —— 。世界的ベストセラー『コア・コンピタンス経営』の著者が、「経営管理イノベーション」によって大成功を収めている企業の例を引きつつ、今後の組織マネジメントのあり方を説く。
要約
経営管理の革新が、成功のカギ
経営の未来。それは、どのようなものだろうか?10年先、20年先に成功している企業はどう組織され、どう運営されているのだろうか?
過去半世紀の間に起きた技術やライフスタイルの大きな変化に比べると、経営管理の手法はわずかな発展しかしてこなかったように見える。
階層構造はフラット化しているかもしれないが、消滅してはいない。社員は依然として幹部の決定に従うよう求められている。重要な決定は肩書きを持つ人々によって下される…。
このように、経営管理の手法はほとんど進化していないが、その一方で、企業を取り巻く環境はかつてないほど変化が激しくなっている。
例えば、業界リーダーが頻繁に入れ替わり、競争優位がより短期間で失われるようになっている。
アウトソーシングの活用やインターネットのおかげで、新規事業を極めて短期間で軌道に乗せることが可能になった。だが、その分、ビジネス・モデルは早くピークを迎え、早く衰退期に入る。
こうした新しい現実は、新しい組織力、経営管理能力を必要としている。
ますます破壊的になる世界で成功するには、企業は業務効率を高めると同時に、戦略面での適応力も高めねばならない。利益を確保するには、斬新なイノベーションを生み出さねばならない。新興企業の先を行くには、社員を奮い立たせて最高の力を日々発揮させる方法を導入する必要がある。
我々は、こうした経営管理の変革に取り組まなくてはならないのである。
経営管理は、「目標を設定し、そこに到達するための計画を立てる」「動機づけをし、努力の方向を一致させる」「人材を開発・任命する」「資源を蓄積・配分する」などの要素で構成される。
今取り組むべきなのは、これらの仕事が遂行される方法を劇的に変化させること、すなわち「経営管理イノベーション」である。