2008年5月号掲載
エマソン妥協なき経営 44年連続増収を可能にしたPDCAの徹底
Original Title :Performance without Compromise
- 著者
- 出版社
- 発行日2008年3月13日
- 定価2,420円
- ページ数355ページ
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著者紹介
概要
米国のエマソン・エレクトリック社は、44年もの長きにわたり増収を続けた超優良企業である。だが、そのマネジメント手法は決して特別なものではない。ごくオーソドックスでベーシックなものだ。ただ、それを徹底して、妥協せずに行う強い姿勢に大きな特徴がある。いわば、普通にして偉大な、このマネジメントの仕組みについて、同社の元CEOが詳細に解説する。
要約
マネジメント・プロセス
米国のエマソン・エレクトリック社は、「ネットワーク・パワー」「プロセス・オートメーション」「インダストリアル・オートメーション」「空調制御」「家電向け製品・工具」の5つの事業を展開し、これら全ての事業において、リーダー的な地位にある。
そして長年にわたり、「最も賞賛される企業」「最も革新的な企業」などのリストで常にトップもしくはトップ近くにランクされている。
また、1950年代半ばから2000年まで、ずっと利益額、1株当たり利益、1株当たり配当を毎年拡大してきた。この記録は2000年初めに途絶えたが、現在も依然として高い利益を上げている。
では、それをどうやって実現しているのか?
そのカギは、「マネジメント・プロセス」と呼ばれる仕組みにある。これは、戦略とその実行を結び付けるもので、組織内に共通の価値観を確立し、最重要項目を明確にし、活動の結果を評価し、そして問題を解決するためのフレームワークを提供してくれるものである。
マネジメント・プロセスという言葉は、奇妙に聞こえるかもしれない。マネジメントとは一般的には活動、行為を意味し、通常、プロセスとして定義されることはないからである。
しかし我々は、マネジメントはプロセスであると考えている。つまり、継続的な高い利益を出すための一連のステップである、ということだ。
従って、プロセスであるが故に、ステップに分解することができ、それらをうまく設計し、コントロールすることで、プロセス全体を円滑かつ安定して機能させることができる。まさにそれが、エマソンがやってきたことなのである。
このマネジメント・プロセスは、次の6つの要素から成る。
①単純化する
単純化は、マネジメントにおいて実行が最も難しい原則の1つである。だが、単純化することで、経営者は最重要事項に集中し、全ての社員がそれを理解し、そこに向けて協力するように、きちんと説明することができる。
同時に、過去からの悪弊や官僚主義を排し、また、さして重要でないプロジェクトに取り組むという、全ての組織に共通の問題を排除できる。