2008年12月号掲載
新興国発 超優良企業
Original Title :GLOBALITY
- 著者
- 出版社
- 発行日2008年10月6日
- 定価1,980円
- ページ数329ページ
※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。
※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。
著者紹介
概要
ブラジル、インド、中国、メキシコ…。今、新興国で生まれた企業が急成長を遂げ、新興国はもちろん、先進国の市場をも獲得しつつある。本書は、こうした数々の新興国発の「超優良企業」を取り上げ、その急成長の秘密を解き明かす。ここで紹介される彼らの強み、それは先進国の既存企業にとっても、グローバリティの時代を生き抜く上で不可欠なものと言えよう。
要約
新興国から超優良企業が生まれている!
国際情勢が未曾有の変貌を遂げる中、今後我々は、あらゆる国々の、あらゆる人々と、あらゆるものを競い合っていくことになる。
この新たな現実を指す言葉が、「グローバリティ」だ。
グローバリティの時代には、「異国」という概念がもはや異端になる。取引が複雑化し、市場シェアは目まぐるしく移り変わる。
この時代の新興勢力を代表する企業の1つが、インド最大の多国籍企業、タタ・グループだ。
この企業は、以前は国内企業の寄せ集めに過ぎなかったが、今は情報通信、ホテル、鉄鋼など7部門に分かれ、各部門が自律的な、緩やかな集合体として成り立っている。2007年にはイギリス=オランダ系の鉄鋼メーカー、コーラス・グループを131億ドルで買収し、世界の注目を集めた。
タタ・グループはほんの一例に過ぎない。同じような企業、いわば「グローバル・チャレンジャー」は、他にも数百、数千と存在する。
彼らの特徴は、その多くが新興国で産声をあげたという点だ。ブラジル、中国、ハンガリー、インド、トルコなどの新興国で誕生し、凄まじい速度で世界経済の大舞台に上ろうとしている。
すでに十分な成功を収めているチャレンジャーは、少なくとも3000社ある。ボストンコンサルティンググループでは、その中でも特に大きな影響力を持つ企業を100社選び、分析した。
この100社は、アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、インドなど14カ国に散らばっており、生産財、耐久消費財、天然資源、食料、テクノロジー機器などあらゆる業種にわたる。
成長の速度も目覚ましく、売上合計は04年から06年の間に、年30%伸びている。これは米国のS&P500社やフォーチュン500社に比べ3倍の伸び率だ。その上、これらの企業の収益率は高い。06年の営業利益は17%。一方、S&P500社は14%だ。
先進国企業にとって、今の彼らは、明らかにあなどりがたい競争相手になったと言えるだろう。