2009年8月号掲載

影響力の武器 実践編 「イエス!」を引き出す50の秘訣

Original Title :YES!:50 SECRETS FROM THE SCIENCE OF PERSUASION

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著者紹介

概要

世界的ベストセラーとなった社会心理学の名著、『影響力の武器』の実践編である。「社会的証明の原理」「返報性の原理」など、『影響力の武器』で示された、6つの社会的影響力の原理に基づく説得テクニックを本書は披露。わざと相手に不便を感じさせて説得力を高める方法など、様々な分野における50の事例を、ユーモアを交え、わかりやすく解説する。

要約

科学に基づく説得術

 説得は、“科学”である。

 自分は人を説得するのがあまり上手でないと考える人も、説得の心理を理解して、科学的に有効な方法を使えば、説得力を高めることができる。

不便を感じさせて高める説得力

 最近、テレビショッピング業界で成功を収めた、コリーン・スショットという女性がいる。

 彼女が担当する通販番組で、業界の定番の台詞を少し変えたところ、購買者数が激増したのだ。

 彼女は、「オペレーターがお待ちしています。今すぐお電話ください」というお決まりの台詞を、こう変えた。「オペレーターにつながらない場合は、恐れ入りますが、繰り返しお電話ください」。

 客に対して、何度も電話する必要があるかもしれない、とほのめかしているわけだから、一見、無謀な変更に見えるかもしれない。

 しかし、あなたがそう感じるのは、「社会的証明」の原理 ―― 人は自分でどうしたらよいかわからない時には他人の行動を手本にする、という法則が持つ威力を知らないためだ。

 「オペレーターがお待ちしています」と言われた人は、何を思い浮かべるだろうか。連想されるのは、商品の人気がないため、鳴らない電話の横でオペレーターが暇そうにする姿だ。

 この台詞を聞いた視聴者は、他の人々が電話する姿を思い描いて、それに従ったのである。つまり、自分も電話して注文した。

 このような、社会的証明の効果を意識しておくと、人を説得する際に大変役立つ。

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