2010年2月号掲載
知識は捨てる!
著者紹介
概要
インターネットが普及した今日、世の中には様々な情報、知識が溢れている。そして、受け手の側も、知識は多いほど役立つと考えがちだ。だが、そうした情報過多、知識過多が、心のゆとりを奪い、人間の可能性を狭めていると著者は指摘。「自分に合うかどうかわからない借り物の方法や知識に囚われるのはやめよう。そういうものを一切捨ててみよう」と呼びかける。
要約
「情報断食」のすすめ
インターネットの普及により、我々と情報、知識との付き合い方は大きく変わった。
世界中の情報が瞬時に得られるようになったことで、多くの人の仕事や物事の進め方は変わりつつある。そして、誰もが「一刻も速く意思決定を…」「素早く行動を…」と過度に速度を増すことを求められるようになった。
情報は増える一方。その情報を保存するパソコンの性能は向上する一方。こうして無限に溜まっていく情報は、「多ければ多いほどいい」「もっともっと!」の発想を生み出している。
知らず識らずのうちに積み重なる不要な情報、知識に、多くの人はどうしても囚われがちになる。それが原因で、頭と心がいっぱいになり、本来ある己の力を活かせなくなっている。
己の力は、皆がそれぞれに持つ潜在力であり、1人1人違う。違うということは、潜在力を活かすための方法も1人1人違うということだ。
それなのに、「こうしなければならない」と誰かの方法を聞いたところで、それを言う通りに実践できるだろうか?
もう自分に合うかどうかわからない借り物の方法や知識に囚われるのはやめよう。そういうものを一切捨ててみよう。
「情報断食」とは何か?
我々を振り回す情報や知識を捨て、心を整理し直す行動。それを、ここでは「情報断食」と呼ぶ。
情報を“食べない”わけだが、とは言え、全く情報なしでは生きられない。情報を食べ過ぎない、あるいは食べてしまった余分な情報、自分を振り回している情報や知識を捨てようということだ。
不要な情報ほど放置されて溜まっていく。溜まれば、それは「心の贅肉」となって心に積もる。
心の贅肉は、見えない縄となって我々を縛り、己の潜在力を脅かす情報であっても、それを排除しようとしなくなり、心の免疫力を低下させる。