2012年7月号掲載
働くプロの心の整理術
著者紹介
概要
悩んで気持ちが落ち込む。あるいは、苛立ちを抑えることができない。ビジネスの現場にいると、こうしたことはしばしば経験する。そんな時、どのようにして、心を落ち着かせればよいのか。日米両国を舞台に活躍するコンサルタントが、「悩みを紙に書いて客観視する」「心暴れる時は無駄な抵抗をしない」など、自ら実践し、効果があったノウハウの数々を披露する。
要約
「心の雑音」を消す方法
心の整理は技術であり、生活や職場の知恵である ―― 。
心療内科治療を必要とする状態ではないけれど、「とりあえず会社へ向かうこの足取りの重さを何とかしたい」と思っている人は多い。
また、自分の心の中を他人にかき回された時、どうやって心の平和を取り戻せばよいのかに悩む人も多い。
そうした問題に、私は次のように対処してきた。
悩みは紙に書いて客観視せよ
いろんなことを考えなければならず、頭を整理するために紙に書くという人は結構いる。だが、心がぐちゃぐちゃになった時に、それを紙の上に広げて、整理をしてみようという人は少ない。
しかし、この効用はとても大きい。なぜなら、今まで見えなかったものが見えるからだ。人間は、かなり目に頼って生きているので、見えないものが見えるだけでも安心し、気持ちが軽くなるのだ。
鉛筆などで、白紙の紙に書いてみる。それは図であったり、文字の羅列であったりするだろうが、あまり形にこだわらなくていい。自分が一番その心を整理しやすいやり方でまとめればいいのだ。
自分の心模様を自分の目で見ることは、心の整理の第一歩である。
あなたがあなたを救う「救済リスト」とは?
落ち込んでいる自分を助けてくれるのは、友達や家族だけではない。自分自身がいる。元気な時のあなたは、落ち込んだ時のあなたを助けられる。
そのためには元気なうちに、落ち込んだ時の「救済リスト」を作っておく。これは髪を切る、洗車をする、掃除をするなど、心を整理するための雑務を記したリストだ。
落ち込んでいる時には、そんなことさえも発想できない。そのため私は、救済リストを紙に書いて持っている。