2012年11月号掲載

信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学

Original Title :Mandela's Way:Fifteen Lessons on Life, Love, and Courage

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著者紹介

概要

長年、「アパルトヘイト」(人種隔離政策)と戦い、南アフリカ共和国の大統領を務めたネルソン・マンデラ氏の行動哲学をまとめたもの。「背後から指揮をとれ」「原理原則と戦術を区別せよ」「『負けて勝つ』勇気を持て」…。氏と3年間寝食を共にしたジャーナリストが、過酷な状況に耐え、自らの志を実現した稀有のリーダーの生き方、考え方を浮き彫りにする。

要約

ネルソン・マンデラの生き方

 「英雄などめったに存在するものではない」と知りつつも、我々は皆、英雄に憧れるものである。

 ネルソン・マンデラは、純粋な意味で「英雄」の名にふさわしい最後の人物といえるだろう。

 マンデラは、政治指導者としての魅力と、人としての魅力を兼ね備えた人物だ。政治指導者としての魅力とは、つまり、人々を感化する力があるということだ。

 人の心を動かすためには、「論理(理性)」と「人間性(感情)」が必要であり、マンデラの場合はその両方が武器になった。時には、論理のみを用いて命令することもあったが、「何かをさせるために命令する」のではなく、「自ら行うように感化する」ことを重視していた。

 また、マンデラは、自分の信念を決して曲げようとしない。「これはあってはならないことだ」というセリフを何度聞いたことだろう。

 どんな問題に対しても、彼は常に「これはあってはならない」と主張する。マンデラにとって、不公平な物事を許せないという思いこそが、力の源泉になったことは間違いない。

 アパルトヘイトという不公平の極みのような政策に対してマンデラは、「これはあってはならないことだ」という判断を下したのだ。そしてその判断は、彼の全ての活動の原動力となった。

勇敢に見える行動をとれ

 人はよく、マンデラのことを勇気の象徴のように語る。しかし、彼自身はそうは考えていない。

 「もちろんだ。恐怖を感じないのは愚鈍な者だけだろう。ただ、私は、己の恐怖心を外から悟られないようにするために、ありとあらゆる方法で恐怖心を克服しようと努めてきた」

 勇気とは、恐れを知らないということではない。抱いた恐れを克服していく意志を持つ。それが勇気なのだ。そうマンデラは私に教えてくれたのだ。

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