2013年9月号掲載
LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲
Original Title :LEAN IN:WOMEN, WORK, AND THE WILL TO LEAD
- 著者
- 出版社
- 発行日2013年6月25日
- 定価1,760円
- ページ数301ページ
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著者紹介
概要
フォーチュン誌の「世界で最も有力な女性50人」に選ばれた、フェイスブックのCOO(最高執行責任者)が、現状から「一歩踏み出せ」(リーン・イン)と呼びかける。なぜ、世のリーダーの大半が男性なのか。女性リーダーが生まれにくい原因を指摘し、女性がキャリア上の成功を手に入れるための方法、真の男女平等のあり方を、女性および男性に向けて語る。
要約
男女平等の現状とあるべき姿
はっきり言おう。世界を動かしているのは、やはり男である。
世界に195ある独立国のうち、女性が元首を務める国は17カ国にすぎない。世界の議会に占める女性議員の割合は、20%程度である。
実業界では、女性がトップを務める比率はさらに低くなる。フォーチュン500社でCEOを女性が務める企業は、わずか4%だ。米国では上級執行役員の14%、取締役の17%が女性だが、この数字は過去10年間ほとんど変わっていない。
日本では、経営執行委員会の女性の割合はわずか1.1%にすぎず、大企業の会長を務めている女性は1人もいない。これは、女性の経営参加率としては先進国の中で最低の数字である。
この残念な現状を、私自身も最前線で目の当たりにしてきている。
私は1991年に大学を卒業して働いた後、95年にビジネススクールを卒業して改めて就職した。どちらの就職時にも、男女比はほぼ半々だったが、年を経るごとに女性の同僚は減り、部屋の中にいる女は私1人というケースが珍しくなくなった。
働き始めてからすでに20年以上が過ぎたが、状況はさほど変わっていない。
いまだに難しい、仕事と子育ての両立
私が大学に入学したのは1987年の秋である。当時、女子学生は皆、自分たちは仕事と子供の両方を手に入れられると思っていた。男子学生も女子学生も、授業や様々な活動で、正々堂々と競争した。祖母の時代からたった2世代隔てただけで、競争の場は平等になったように見えた。
だが、それから20年以上経ったが、大きな進歩は実現していない。男のクラスメートは、ほぼ全員が専門職に就いている。女のクラスメートの一部はフルタイムの仕事をしているが、それとほぼ同数が専業主婦だ。高等教育を受けた女性のかなりの数が、労働人口から脱落しているのだ。
私たちの世代は、男女平等が推進される時代に育った。そして、この勢いが続くと考えていた。
今にして思えば、私たちは青臭い理想主義者だった。仕事上の野心と個人的な願望の折り合いをつけるのは、想像していたよりずっと難しかった。