2013年9月号掲載

ライク・ア・ヴァージン ビジネススクールでは教えてくれない成功哲学

Original Title :LIKE A VIRGIN:SECRETS THEY WON'T TEACH YOU AT BUSINESS SCHOOL

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著者紹介

概要

ヴァージン・アトランティック航空をはじめ、鉄道、金融、飲料、宇宙旅行と、次々に異業種に参入するヴァージン・グループ。これまでに設立した会社は400以上、グループの売上高は約2兆円。「本業に特化せよ」というビジネスの常識をよそに、多角化で成功を収めている。このヴァージン流「革新経営」について、創業者リチャード・ブランソンが語り尽くす。

要約

ヴァージン流の経営とは?

 「起業家精神」という言葉は19世紀からあったそうだが、60年代に学校を中退して自分の雑誌を立ち上げ、その後、レコードの通信販売を始めた時には、自分の行動がまさにそれを地で行くようなものだとは思ってもいなかった。

 当時、起業家精神と聞いてもおそらくピンとこなかったはずだが、以来、それは僕がここ40年余りやってきたこと全ての根幹をなしてきた。

 起業家というのは、生来好奇心が強い連中だ。どうすれば“ヴァージンみたいに”経営できるのか、ありとあらゆる質問の手紙が世界中から届く。

 こうした質問への答えを、以下、記してみたい。

起業の5つの秘訣

 しょっちゅう聞かれる質問が2つある。一番多いのが、「どうして会社に『ヴァージン』なんて名前を付けたのか?」である。

 これは、思いつきで生まれたようなものだ。

 ある晩、僕は16歳の女の子らと、レコード店の名前をどうしようかと話し合っていた。そのうち誰かが、僕らはみな仕事をするのは初めてだから「“ヴァージン”はどうだ」と言った。新鮮味と、ちょっぴりいかがわしい雰囲気もあったから、注目されるんじゃないかと思って、それに決めた。

 2番目に多い質問が、「起業に成功する秘訣は?」だ。これまでの40年を振り返ると、新事業を成功させる秘訣は、次の5つにまとめられる。

①楽しくなければやるな

②革新的であれ ―― 他と違う何かを生み出す

 会社を立ち上げ、成功しようと思えば、何か他と劇的に違うことをやらなければだめだ。

③愛社精神が奇跡を呼ぶ

 社員が会社の一員であることに誇りを持っていると、そこから会社を心から支持する気持ち、尽くそうとする気持ちが生まれ、凡庸さや無関心があふれる世の中で大きな違いを生む要因になる。

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