2013年10月号掲載
イスラム圏でビジネスを成功させる47の流儀
著者紹介
概要
現在、世界のイスラム教徒の数は16億人。一説によれば、やがて世界人口の半数がイスラム教徒になるという。市場規模200兆円ともいわれ、成長拡大するイスラム市場は、モノを売る場所としても、作る場所としても魅力的だ。本書では、イスラム諸国に豊富な人脈を持つ著者が、イスラム圏でビジネスを成功させるための人脈開拓、ビジネススタイルの流儀を説く。
要約
成長拡大するイスラム市場へ!
現在、世界のイスラム教徒の数は16億人とされている。一説によると、すでに20億人を超えているという見方もある。
世界中にイスラム教徒はいる。アフリカ北部は全てイスラム教国家で、中国には3000~4000万人のイスラム教徒がいる。インドは総人口12億のうち約2億人がイスラム教徒。インドネシアは総人口2億5000万人の85~90%はイスラム教徒だ。
人口の多さは、ビジネスチャンスを生む。例えば、自動車、家電、大型プラントなど、モノを売る市場としてイスラム圏は魅力にあふれている。
モノを作る場所としても、イスラム圏は注目されている。勤勉な労働者が多く賃金が割安なインドネシアやバングラデシュ、あるいはトルコへと向かう日本企業が目につく。
イスラムと聞けば即、テロやアルカーイダを連想する人もいる。だが、あのような過激な行動をとる者は全体の0.0001%にも満たない。イスラム教徒をして即、「危ないヤツ」と色眼鏡で見ると、目の前にあるビッグチャンスを逃しかねない。
インドは日本人の熟練工を求めている!
例えば、インドの経済はGDP成長率8%台の勢いで高成長を遂げている。だが、若い労働者のスキルは低い。そこでインド政府は、ものづくりの基礎教育の徹底を図ろうとしている。
インドには今、全土に20近いITI(インディアン・トレーニング・インスティチュート)がある。これは日本の職業訓練校にあたる存在で、電気工事、旋盤、金型など、様々なコースがある。
しかし、優秀な指導者が不足している。そこでインド政府が目を付けているのが、日本の熟練工。
そこにビジネスチャンスがある。具体的には、熟練工の派遣が考えられる。また、現地に日本人が運営する職業訓練校を建てるという方法もある。
イスラム圏の女性もおしゃれがしたい!
イスラム圏でも、マレーシアやトルコ、エジプトなどは女性のファッションが比較的オープンで、ジーンズ姿の若い女性も多い。この辺りはカジュアルファッションの魅力的な市場となるだろう。
だが、服装の戒律が厳しい国もある。湾岸諸国など保守的なイスラム圏の女性は、外出時は「ビジャブ」というスカーフで髪を被い、「アバヤ」というロングドレスのような衣装で身体を隠す。「ニカーブ」という目だけを見せる頭巾もある。