2013年12月号掲載
「失われた20年の勝ち組企業」100社の成功法則 「X」経営の時代
著者紹介
概要
バブル崩壊後の低成長の時代を、「失われた20年」と呼ぶ。しかし、そうした中、大きく成長した日本企業も少なからず存在する。その成功の秘密は何か? この20年間の勝ち組100社をリストアップし、「経営変革力」「事業モデル構築力」「市場開拓力」「オペレーション力」の4つの観点から考察するとともに、今後、日本企業が目指すべき経営モデルを描く。
要約
「失われた20年」の勝ち組とは?
1991年に日本経済のバブルがはじけてから、「失われた20年」が過ぎたといわれている。
だが、この20年間、日本経済全体が低成長なのは確かだが、成長企業がなかったわけではない。
そこで、1990~2010年の20年間に、売上高、営業利益、時価総額がどれだけ成長したか、3つの指標の伸び率をもとに、「勝ち組100社リスト」を作成した(売上高1000億円未満は除外)。
順位は、1位が日本電産。以下、エア・ウォーター、イビデン、キーエンス、テルモ、ユニ・チャーム、三菱UFJリース、中外製薬…と続く。
4つの成長要因
これら勝ち組の成長要因を分析すると、おおよそ4つの力に分類することができた。それら4つの力の関係性を含めて表したのが下図である。
3層構造になっており、一番上が「経営変革力」。真ん中には「事業モデル構築力」と「市場開拓力」の2つがあり、この2つは互いに影響を与え合う関係にある。そして、下層に事業の基盤となる「オペレーション力」がある。
成長のツイン・エンジン
日本企業は、オペレーション力(技術力、製造力、販売力などの現場力)によって成長してきた。
だが、今後はこれだけでは成長できない。なぜなら、右肩上がりの時代であれば、市場も自然に広がり、企業の売上も利益も伸びたが、今後の日本経済にそれを期待するのは無理だからだ。