2014年2月号掲載

ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義

Original Title :FOR THE WIN: How GAME THINKING Can Revolutionize Your Business

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著者紹介

概要

表題の「ゲーミフィケーション」は、最近、注目されつつある概念で、企業活動などに「ゲーム」を活用すること。ゲームというと単なる遊びのイメージが強いが、うまく使えば、人を動かし、ビジネスに革命を起こすことさえできるという。その理論から実践までを、名門ビジネススクールで、世界初のゲーミフィケーションコースを担当する著者たちが徹底解説する。

要約

ゲーミフィケーションとは?

 ソフトウェア業界の巨人、マイクロソフト。

 同社製品の「ウィンドウズ」や「オフィス」を利用する人々は数億人に上る。こうしたソフトウェアシステムの構築には何百人もの開発者が携わり、繰り返し修正が加えられ、世界の主要言語ごとに多数のバージョンが作製されてきた。

 これほど複雑なソフトウェアシステムになると、どうしてもバグなどのエラーが生じるものだ。

 ロス・スミスがリーダーを務めるテストグループは、そうしたバグを探し出す業務を担当していた。それは、とんでもなく大変な仕事だった。

 品質を確保するには、大勢の人々が様々な特徴、使用状況、各言語のダイアログボックス(ユーザーに入力、選択、確認などをしてもらうために表示されるウインドウ)を目視で確認するしかない。

 問題は、単に規模の大きさだけではない。厳密なテスト用ソフトウェアはたいてい死ぬほど退屈なのだ。マイクロソフトのように豊富な人材や資源を擁する大企業でさえ、自社製品をきちんとテストできる人材を確保するのは容易ではない。

 そのような中で、スミスが選んだ解決策は、ゲームを使うことだった。

 彼のグループは「ソフトウェア品質ゲーム」という概念を他に先駆けて開発し、テストのプロセスを魅力的で楽しい経験へと一変させたのである。

 疑わしい言葉を1つ見つけるたびにポイントが与えられ、そのポイントに基づいて、ランキング・リストが公表される。その表には、個人スコアと地域別スコアが掲載された。

 このランゲージクオリティゲームは、競争のダイナミクスを生み出した。参加者は個人的に勝ちたい、自分の言語を勝たせたいと思ったのだ。

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