2015年2月号掲載
シンプル・ライフ 世界のエグゼクティブに学ぶストレスフリーな働き方
Original Title :WISDOM2.0:The New Movement Toward Purposeful Engagement in Business and in Life.
著者紹介
概要
ツイッターやフェイスブックなど、時代の先端を行くIT企業の創業者たちが実践することがある。それは目の前のことに意識を向ける習慣、「マインドフルネス」を身に付けること。そうすることで、無益な情報に惑わされず、創造力を引き出せる。テクノロジーに飲み込まれて苛々することなく、平常心で創造性を発揮する、そんなストレスフリーな働き方を紹介する。
要約
「内面の力」が創造力を引き出す
テクノロジーの時代に、私たちは生きている。その恩恵には計り知れないものがあるが、テクノロジーが私たちの生活に及ぼす影響に疑問を持つ人も多い。副作用も生じているからだ。
私が内なる警告の声を聞いたのは、数年間もテクノロジーの世界、とりわけオンラインの世界にどっぷりとつかり続けた後だった。
このまま数分おきに電子メールをチェックし、肌身離さず通信機器を持ち続けていたら、健康も幸せも損なわれてしまうだろうと、私は気づいた。
私は多くのテクノロジー業界の方々と話し、意見を交わす中で、「ウィズダム(知恵)2.0会議」を立ち上げることを思いついた。様々な伝統思想に立脚した賢人たちと、テクノロジー界の人々に集まってもらう会議だ。
この会議で明らかになったのは、今の時代に最も大きな影響を与えている企業の創業者たちが、仕事を進める上で、内面の力を取り入れていることだった。また、人生や企業を意味のあるものにするには、目の前のことに意識を向ける習慣を身につけることが欠かせないことも示された。
新しい情報が途切れることなく入ってくるのが現代だ。自分の内面の世界や、自分の精神と肉体がつながっていないと、外から与えられる大量の情報に邪魔されて、創造力を引き出せなくなる。
このことでもどかしさを感じている人は多い。もっと1つのことに集中して取り組めば、もっと大きな成果を上げられることは皆わかっている。でも、どのように自分の内面にアクセスしたらいいかはわかっていない。
どうすれば、今ここに集中できるのか、意識的に創造力を引き出せるのか ―― 。
今ここに意識を向け、集中する
最近は、あらゆるものがインターネットでつながっている。そういう環境の中では、情報を多く集めるほどいい成果を上げられると考えがちだ。
確かに、解決の手順が決まっているような問題の場合、情報は多いほどよい。だが革新的なことに挑む時、情報は助けにならない。iPhoneのような世の中を根底から変える製品は生まれない。
スティーヴ・ジョブズは、こう述べている。