2015年11月号掲載
グレートカンパニー 優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件
Original Title :THE SOFT EDGE
- 著者
- 出版社
- 発行日2015年9月3日
- 定価2,200円
- ページ数332ページ
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著者紹介
概要
『フォーブス』発行人の著者は、30年にわたって多種多様な会社を観察してきた。そこから見えてきたのは、「グレートカンパニー」(真に優れた企業)が大切にするのは、「信頼」「知性」など、目に見えないものであるということ。束の間の成功ではなく、“成功し続ける”。そのためには戦略や数字以上に重要ともいえる、これらソフト面の要素について解説する。
要約
“成功し続ける企業”が重視するもの
変化の激しい時代にあって、成功し続ける会社を築くために必要なもの。それは、次の3つだ。
①戦略的基盤
市場、顧客、競合他社、競争優位性、変革者(業界における技術面でのゲーム・チェンジャー)の5つが、戦略の柱となる。これらは、会社にとって重要な検討事項である。
②ハードエッジ
スピード、コスト、サプライチェーン、流通、資本効率の5つの柱から成り、数字で表される。
③ソフトエッジ
信頼、知性、チーム、テイスト、ストーリーの5つの柱から成る。数字で表すのが難しいため、多くの会社で無視されることが多い。
「ハードエッジ」にとらわれる現代の経営者
今のビジネス界は、ハードエッジを重視する人々が支配している。例えばウォール街は、ハードエッジを重視し、スピードや短期の資本効率によって動かされている。近頃ではビッグデータやアナリティクスも議論の的になっている。
いずれも大変役に立つツールだが、それらは会社の頭脳であって心や魂ではない。そのことを忘れてしまっている会社がある。そうした会社は成功を収めても、長く成功し続けることはない。
グレートカンパニーが持つ「ソフトエッジ」の優位性
長年、多くの優れた企業を取材した結果、私は次の3点を自信を持って言うことができる。
- ・成功し続ける優れた組織は、ハードエッジとソフトエッジの両方で卓越している。
- ・最高のパフォーマンスを得られるかどうかは、ハードとソフト両面のスキルのバランスを適切にできるかどうかにかかっている。
- ・現代の厳しくグローバルな経済において、ソフトエッジで卓越することは、ハードエッジで卓越するのと同じくらい(あるいはそれよりはるかに)重要になるだろう。
では、次に、先に記したソフトエッジの5本の柱の1本1本について、詳しくみていこう。
チームの「信頼」を高める
今日、企業の中で、「信頼」は低い位置づけになっている。最近の世論調査によると、ビジネスリーダーが倫理やモラルに基づいた決断をすると信じている人は19%しかいない。
しかし、信頼こそが企業の成功を支える土台だ。