2017年8月号掲載
シリコンバレー式 よい休息
Original Title :Rest
- 著者
- 出版社
- 発行日2017年5月29日
- 定価1,760円
- ページ数349ページ
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著者紹介
概要
よい休息をとらなければ、よく働くことはできない! こう語るスタンフォード大学の研究員が、創造性を刺激する“戦略的休息”を大公開。「早朝から仕事を始め、昼間に休息する」「あえて仕事を中断して翌日に回す」…。ダーウィンやビル・ゲイツをはじめ、優れた業績を上げた人たちが実践した、休息法の数々が明かされる。
要約
創造性を刺激・維持する「休息」
多くの人は、いかに働くかには興味があるが、いかに休むかについてはあまり考えないようだ。
一般に、労働と休息を対立するものと見なしがちだが、労働と休息は対極にあるものではない。両者は互いに補完するものだ。さらに言えば、よい休息をとらなければ、よく働くことはできない。
ある種の休息は、創造性を刺激する。多くの著名なクリエイターは、最も集中が必要とされる仕事を、気持ちがしゃきっとしていて、気が散りにくい早朝に行う。そして日中は散歩や昼寝をして、エネルギーを回復させる。
1日のうちに、集中して働く時間と、ゆったり休息する時間の両方をバランスよく持つ。そうすることで、課題をより創造的に、より効率的に解決できるのだ。こうした「戦略的休息」の例として、次のようなものがある。
4時間
歴史に名を残す創造的な人物の人生を調べると、あるパラドックスに直面する。それは、彼らは仕事中心の生活をしていたが、仕事に没頭して日々過ごしていたわけではないということだ。
彼らが、自身の重要な仕事と思えるものに費やした時間は、1日のうちのほんの数時間だった。
例えば、チャールズ・ダーウィンは朝食後、8時までに書斎に入り、1時間半ほど仕事をした。9時半になると、郵便物に目を通し、手紙を書いた。10時半になると、本格的な研究を開始。そして正午には散歩に出掛けた。このような生活を送りながら、彼は19冊の本を書き上げた。
フランスの数学者アンリ・ポアンカレの業績も、ダーウィンに引けを取らない。彼の30冊の著書と500本の論文のテーマは整数論、位相幾何学、天文学、物理、そして哲学にまで及ぶ。
彼の場合、最も頭を使う思索は、午前10時~正午、および午後5時~7時に行った。つまり、19世紀最高の数学の天才が問題を解き明かすのにあてた時間は、1日のうちわずか4時間だった。
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イリノイ工科大学のレイモンド・ヴァン・ゼルスト教授らは、同僚である各学部の研究者の仕事の習慣とスケジュールを調べ、研究室で費やす時間と、書いた論文の数を比較するグラフを作った。