2019年2月号掲載
BCGが読む経営の論点2019
- 著者
- 出版社
- 発行日2018年11月21日
- 定価1,760円
- ページ数279ページ
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概要
デジタル化の進展で、これから何が起こるのか? 企業はどう備えるべきか? 今後の経営を考える上で欠かせない10の論点を、BCG(ボストン コンサルティング グループ)のコンサルタントが徹底解説。AI、アジャイル、自動運転車…。デジタルとのつながりが深い重要なテーマを掘り下げ、その特徴や可能性、留意点を示す。
要約
AI
デジタルを中核に据え、経営を変える。バリューチェーンを再構築し、新たな成長機会を創る。デジタルによって既存事業を変革し、新規事業でイノベーションを生み出す ―― 。
2019年は、そんな流れがますます加速する。本書は、こうした時代に経営を考える上で欠かせない10のテーマについて解説するものだ。ここでは、その中からいくつか紹介しよう。
AI活用を促進するための3つのポイント
AIブームに乗って実証実験を行い、一定の成果を得られても、その先の実務への適用でつまずく企業が増えつつある。
AIの実務への適用を成功させるには、次の3つのポイントを押さえる必要がある。
①クイックウィン+継続改善
どんな改革でも、弾みをつける上でクイックウィンは重要だが、AIのプロジェクトでは特に重要になる。何らかの成果を速やかに出さないと、そこでプロジェクトは終わってしまうからだ。
よって最初は大きな効果を狙わず、問題の要因がある程度予想できるテーマを見つけた方がいい。
クイックウィンで一定の成果を出せば、そのデータを使って適用範囲を広げられる。このため、とにかく1回、試行にこぎつけることが重要だ。
②バイイン
第2のポイントは、「バイイン(自ら取り組むことを引き受ける姿勢)」である。
例えば、音声認識を使った実証実験で、技術の検証だけに留まり、業務への適用につなげられないケースは多い。それを回避するには、実際の業務のどの部分で、どのように使えるのかを念頭に置いて案件を組み立てることだ。
加えて、誰がオーナーとなってどのように成果を活用するかという絵姿まで描いておくことが必須である。というのは、実験から先に進めないケースでは、コミットする責任者の不在が大きな壁となっていることが最も多いからだ。
問題意識を持ち、自ら率先して取り組もうと思っている役員クラスの人材は、社内を探せば必ず1人や2人は見つかるものだ。