2020年4月号掲載
直観を磨く 深く考える七つの技法
- 著者
- 出版社
- 発行日2020年2月20日
- 定価990円
- ページ数309ページ
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著者紹介
概要
世の中では「考える」というと、論理思考をイメージする人が多い。だが、深く考えるには、論理だけでなく「直観」の力も必要だ。この直観力を磨き、思索を深める極意を、思考のプロフェッショナルである著者が伝授。「専門知識を横断して考える」「体験を通じて得た知性で考える」等々の技法が、豊富な経験に基づき語られる。
要約
深く考えるための「7つの思考法」
「深く考える」とは、いかなることか。
それは、「論理思考」に基づき一生懸命に考えることでも、長時間かけて考えることでもない。端的に言えば、論理思考を超えた思考法を用いて考えることである。
論理思考を超えた思考法とは、直観を用いた思考法、すなわち「直観思考」だ。
しかし、本当に「深く考える技法」を身につけたいのであれば、論理思考と直観思考だけでは不十分である。なぜなら、初級課程の論理思考と上級課程の直観思考の間に、身につけるべき中級課程の思考法があるからだ。
この中級過程の思考法と、論理思考、直観思考を併せて、「深く考える技法」と呼ぶ。それは、次の7つの思考法を縦横に活用する技法である。
①「循環論理」の思考法
第1は、「直線論理」で考えるのではなく、「循環論理」で考えるという思考法である。
直線論理の思考法とは、「Aが原因となって、Bが結果となる」(原因と結果)、「Aという根拠で、Bという結論が得られる」(根拠と結論)といった直線的な思考法のことである。
こうした直線論理を使って物事を推論し、判断する能力は重要である。だが、それは論理思考においては初級にすぎない。なぜなら世の中の物事は、多くが「循環構造」をしているからだ。
循環構造とは、例えば次のようなものである。
なぜ収益が上がらないのか → 売上が伸びないから → なぜ売上が伸びないのか → 他社と差別化できる商品が無いから → なぜ魅力的な商品開発ができないのか → 優秀な人材がいないから → (優秀な人材を採用するために)もっと予算を増やせないのか → 収益が上がっていないので増やせない → なぜ収益が上がらないのか…
この例でわかるように、世の中の問題の多くは循環構造をしている。では、循環構造の問題に対して、どのような思考法を採ればよいのか。