2022年9月号掲載
日本経済 復活の書 2040年、世界一になる未来を予言する
- 著者
- 出版社
- 発行日2022年6月29日
- 定価1,089円
- ページ数300ページ
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著者紹介
概要
日本を「魔改造」すれば、再び世界の頂点に立つことも夢ではない! 未来予測の専門家が、人口減少など様々な問題に対する大胆な解決策を示す。「移民によって総人口を1億4000万人に」「2030年代前半に中央四国リニア新幹線を全面開業」等々。日本人が触れようとしない不都合な論点に踏み込み、改革案を提言する。
要約
日本が人口1億4000万人を目指す未来
これまでの30年間、政府による日本経済復活戦略は不発だった。地方創生や規制緩和論などがあり、基金とか補助金とかで巨額の税金が投入されたが、結果が出ていない。
では、日本復活のために本当にすべきこととは何か? 本書で提案するのが、「日本の魔改造」だ。魔改造とは、危険な禁じ手に見えるが、課題の前提条件を大きく変えることができる政策のことである。例えば ――
「少子高齢化が進む」という前提をひっくり返す
「人口が減少する社会でGDPを増やすのは並大抵のことではない」。これは20年前から言われてきたことだが、実はこれまでこの問題をあまり深刻に考える必要はなかった。それは、人口減少カーブは放物線を描いて減っていくので、その頂点では人口減少はわずかにしか進まないからだ。
日本の人口は、1995年は1億2400万人。ピークは2008年の1億2600万人で、そこから減少が始まったが、2020年は1億2300万人。つまり「人口減少、人口減少」と騒がれたわりには、この25年の間、人口はそれほど変動していない。
ところがこれから先の30年間で、人口は一気に減る。国立社会保障・人口問題研究所の予測では、2020~2040年の間に1400万人減少する。もっと悪いことに、生産年齢人口は2040年には5割強、つまり2人に1人は働かない超高齢化社会がやってくる。
人口問題解決のカギは移民の受け入れにある
この大問題を乗り越えるにはどうすればいいか。一番シンプルな答えは移民を受け入れることだ。
毎年100万人ずつ20歳の外国人を受け入れ、その人々が定住し、30代に子どもが生まれる。そう仮定すると、人口問題は解決する。20~40歳の人口が突出して多くなり、人手不足の問題はなくなる。それだけでなく、若い家族が増えれば家具も家電も売れて、消費は拡大する。
つまり日本経済は停滞縮小基調から抜け出して拡大基調に向かう。移民で若い人口を増やせばゼロ成長から脱却できる。
しかし大半の人は、この解決策を受けつけることができないのではないか。「それは日本が移民国家に方針を変えるということだよね?」「大切な日本の文化が失われてしまう」…。
世界のどの国でも、移民政策に対して世論の反対が強い。日本政府もよくわかっているので、「日本を移民国家にする」などとは決して言わない。しかし、日本ではすでに着々と移民による多民族国家化が進行している。
実は着々と外国人が増加しているという現実
国立社会保障・人口問題研究所は2017年に、2020年の日本の総人口は1億2533万人になると予測していた。ところが実際の総人口は1億2622万人と、予測よりも90万人も多かった。