2022年9月号掲載
WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方
Original Title :WHOLE BRAIN LIVING (2021年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2022年6月25日
- 定価2,200円
- ページ数349ページ
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著者紹介
概要
誰の脳にも、「4つのキャラクター」がいる! それは合理的な〈キャラ1〉、悲観的な〈キャラ2〉、おおらかで怖いもの知らずの〈キャラ3〉、大局的に物事を見る〈キャラ4〉。各々の特徴を知れば、脳を動かし、嫌なクセを変え、なりたい自分になれる。この新たな知見を、脳卒中で左脳の機能を失うも、見事回復した脳科学者が説く。
要約
私の物語、私たちの脳
私は、インディアナ大学で生理心理学と、ヒト生物学を専攻した。その後、インディアナ州立大学で生命科学の博士課程に進む。博士号を取得後、ハーバード大学神経科学科で2年間、同大学精神医学科で4年間、研究を続けた。
私はハーバードでの成功の階段を上り、人生の絶頂期にいた。そんな中、37歳だった1996年12月10日の朝、私は左目の奥の痛みで目を覚ます。
問題が起きるまで知らなかったが、実は私には脳動静脈奇形(AVM)という先天性の脳の血管障害があった。脳の左半球でこのAVMの部位が破裂し、脳機能が停止した。その結果、歩くことも、話すことも、読むことも、書くこともできなくなった。いわば、女性の体をした幼児になったのだ。
それだけではない。私の人生を熟知し、賢く、規律正しく、時間を守り、几帳面で、計画的…そんな意欲的な人格(パーソナリティ)を失ってしまったのである。
こうした傷ついた回路をすべて再構築し、取り戻すのに、8年かかった ―― 。
脳の中の「4つのキャラクター」
私はこのつらい経験を通じて、脳の2つの半球(右脳と左脳)に分けられた細胞群が4つあり、それぞれがはっきりとした人格を生み出すことを、身をもって学んだ。
神経解剖学的にいうと、この4つの細胞群は、「高次な大脳皮質の左右の思考中枢」と「低次な大脳辺縁系の左右の情動中枢」を作り出している。
私はこれらの人格を、「4つのキャラクター」(以下、キャラ)と呼んでいる。