2023年6月号掲載
TIME OFF 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術
Original Title :TIME OFF (2020年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2023年4月1日
- 定価2,398円
- ページ数526ページ
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著者紹介
概要
人生を充実させ、より良い仕事をするには、「タイムオフ(休息)」が欠かせない! 睡眠や旅行などの休息は、心身を癒すだけでなく、生産性と創造性を高める。また、AIの能力が高まる未来社会で活躍する上でも必要になる。本書はそう指摘し、アインシュタインら世界の賢人のエピソードを交えつつ、「戦略的な休息術」を紹介する。
要約
「タイムオフ」の方法
今日、ストレスや不安に苦しむ人が多い。過労と心労は、私たちのクリエイティビティを削り取り、社会をだめにしている。「タイムオフ(休息)」、つまり重圧や期待から心と体を解き放つための時間が必要だ。
アインシュタインはかつて、静けさを求めて、しばしば木船で海に漕ぎだした。ベートーヴェンも、酒場で新聞を読んだりしながら曲を構想した。この人たちは、「タイムオフを“したから”成功した」のだ。
では、どうすればタイムオフができるのか?
仕事という「沼」からはい出そう
創造的であることは、点と点を繋ぐことだ。幅広い興味を探求すれば、それだけ多くの点に出会える。しかし、点がどれだけあろうと、1つに固執しすぎると、近くの点と点しか繋げなくなる。結果、面白くない古臭いアイデアしか生まれない。
面白い点繋ぎをしたいなら、新しい視点を得るために少し遠くまでいかなければならない。これには様々な方法がある。例えば、疲れてもうアイデアが浮かばないと感じる時、少し散歩に出てみたり、別の活動をしたりしてみるといい。少しの間でも問題から離れてみると、戻ってきた時に新しい視点が持てたりする。
また、数週間以上の休暇を取って旅行するのもいい。旅は問題から離れ、癖になっている思考パターンからも抜け出すきっかけを与えてくれる。アイデアを温めるにはもってこいだし、イノベーションにあふれたアイデアが浮かぶかもしれない。
仕事ができる人は、集中して休む
チャールズ・ダーウィンの仕事時間は、1日に90分間×3回だった。その他の時間は、散歩したり昼寝したり、ぼーっとしたりしていたらしい。
アンリ・ポアンカレは様々な分野で多くの業績を残しているが、働いたのは朝10時から正午までと、夕方5時から夜7時までだけだったそうだ。
ダーウィンもポアンカレも、同じことを考えていた。1日4時間は集中できるということだ。ちゃんと休息をとって適切に取り組めば、その時間だけで偉大なことは成し遂げられるのだ。
研究によると、トップクラスの業績の人たちは普通の人と休み方が異なる。平均的な成果を上げる人に比べ、余暇がしっかりと計画されている。集中して仕事するだけでなく、集中して休むのだ。
睡眠時間も1時間ほど多かった。成功する人たちの多くが、考えを温めたり、4時間集中したりするために昼寝することも判明した。つまり、集中しなければならない仕事の間に睡眠を挟むと、1日のメリハリがつきやすいのだ。