2024年9月号掲載

部下のポテンシャルに疑問を持ったら読む本 ――高業績者が持つダーク・パワーの秘密

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著者紹介

概要

職場に「問題あり」の人はいないだろうか。出世のため嘘をつく、特別扱いされたがる、自分のことしか考えない…。上司は、こうした人を「ダメな部下」と決めつけがち。だが実は、彼らには高いポテンシャルがある。その秘められた力、「ダーク・パワー」を徹底解説。“外れた”社員も、きっかけと心構えを整えれば、きっと輝く!

要約

ダーク・パワーの基礎知識

 職場には反社会的な行動をとる人がいる。

 恩を仇で返す人。自分が特別扱いされないと不機嫌になる人。嘘をついて問題を隠蔽する人…。

 こうした反社会的な行動をとる人は「ダーク・トライアド」という性格特性によって、その原因をある程度説明できることがわかってきた。

ダーク・トライアドとは何か

 ダーク・トライアドとは、3つの性格特性を指すものだ。この3つが高いのは、次のような人だ。

  • ・嘘をついてでも自分の勢力・権力を拡大しようとする人。
  • ・自己愛傾向が強く、自分は他人とは違う特別な存在だと信じる人。
  • ・感情的反応が少なく、自分の欲求充足にしか興味がなくて衝動的な人。

 性格特性として、順に「マキャベリアニズム」「ナルシシズム」「サイコパシー傾向」と呼称される。これらの人々は、反社会的な人々の代表例としてこれまで扱われてきた。

「ダーク・パワー」の持つ意外な側面

 しかし、近年の先端的研究は、そう事は単純ではない、ということを示している。

 例えば、ナルシシズムの高い人は、確かに、自分だけが特別だという意識が強く、周囲からの助言を遮断して暴走するという反社会的な面を持つ。しかし、自分に高い達成目標を課して、それに向けて突き進むという面もあり、きっかけがあれば望ましい行動が発現されることもある。

 つまり、反社会性を生む強烈なパワーが何かのきっかけで、向社会性へのパワーになることもある。本書では、これを「ダーク・パワー」と呼ぶ。

ダークな心の特性がパワーに変わる時

 ダーク・トライアドを望ましい方向に働かせるための1つの要素は、個人の心構え、すなわち「ワーク・レディネス」である。

 人間は、自分が持つ性格特性を全て露出して行動をとっているわけではない。自分が持つ性格特性の課題を知り、業務の経験から学び続けることで、「こういう時はこうしよう」という心構えが認知的に蓄積されて、その時々において望ましい行動を選択することもできるのである。

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