2025年2月号掲載

ゾーンに入る EQが導く最高パフォーマンス

Original Title :OPTIMAL (2023年刊)

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著者紹介

概要

あなたが、生産的な「よい日」を過ごした、と満足できる状態を「オプティマル(最適)」ゾーンという。このゾーンに簡単に入る方法を、世界的ベストセラー『EQ こころの知能指数』の著者たちが説く。カギとなるのは、自己認識、感情バランスといった「EQ(感情的知性)」能力。これを高めれば、前向きに、燃え尽きずに働ける!

要約

オプティマルゾーン

 テニスの2022年全米オープン3回戦。アイラ・トムリャノビッチの対戦相手はテニス界のレジェンド、セリーナ・ウィリアムズ。2万4000人の大観衆は、ウィリアムズに肩入れしている。

 だが、トムリャノビッチは一点集中し、心を落ち着かせた。そして、集中を保ち続け、自分史上最高のテニスでウィリアムズを下す ―― 。

 彼女の名勝負は、「フロー」の実例だ。フローとは、1つのことに極限まで没頭し、最高のパフォーマンスを発揮できる状態をいう。

 ただ、フローは普段の生活にめったに起こらない。そこで本書では、より現実的で達成しやすい状態を目指したい。それは、あなたにとって重要な何らかの基準で、生産的な「よい日」を過ごした、と満足できる状態だ。これを「オプティマル(最適)」ゾーンと呼ぶ。

 トムリャノビッチのような、可能な限り最高のパフォーマンスを発揮することを自分に課せば、完璧主義に陥り、疲れ果てて燃え尽きやすくなる。一方、常に「自分なりのベストを尽くす」ことはできる。こちらは、より現実的な目標になる。

オプティマルゾーンとは

 あなたが最高の状態だった時のことを思い出してほしい。最高のパフォーマンスを発揮した時、あなたの内面はどんな状態だっただろう?

 そんな時は、気分が乗り、どんな課題にも立ち向かう心の準備ができていたはずだ。つまり、あなたはオプティマルゾーンに入っていた。

 オプティマルゾーンを見分ける特徴はいくつかある。この状態にある人は、より創造性が高く、新奇かつ有用な解決策を見つけやすい。生産性が高く、質の高い仕事を次々とこなす。

 マッキンゼーの調査では、管理職や経営幹部は、ベストな状態の時は「平均的」な状態の時に比べて、生産性が平均で5倍も高いと答えている。これは、オプティマルゾーンにいる人が、何でもできそうな気分でいることを示している。

フローvsオプティマル

 フロー状態とオプティマルゾーンには重要な違いがある。オプティマルゾーンとは、一度きりのまれな出来事ではなく、より幅広い範囲に含まれる様々な状態をいう。

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