2025年3月号掲載

WAR(ウォー) 3つの戦争

Original Title :WAR (2024年刊)

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著者紹介

概要

ロシアによるウクライナ侵攻、ハマスの奇襲攻撃とイスラエルによる反撃…。これらの戦争を防ぐため、また起きた戦争の拡大を防ぐために、為政者たちはどのような努力と決断をしたのか。アメリカを代表するジャーナリストが、重要人物らへのインタビューを敢行。各戦争の舞台裏、そしてバイデン前米大統領の言動を描き出す。

要約

ロシアのウクライナ侵攻

 戦争にまつわる決断は、国家の指導者たちを特徴づける。2009年、当時のジョー・バイデン副大統領はアフガニスタンに米軍を増派するというバラク・オバマ大統領の政策に激しく反対した。そしてバイデンが2021年に大統領に就任した時には、アメリカが攻撃されない限り、外交問題を解決するために米軍を派遣するのは国益にならないと固く信じていた ―― 。

プーチンのウクライナ侵攻計画

 2021年10月、CIA長官ビル・バーンズらがバイデン大統領に、ウラジーミル・プーチン大統領が17万5000人のロシア軍でウクライナに侵攻する計画を立案したことを示す機密情報を提示した。

 トニー・ブリンケン国務長官は、「正気の沙汰ではないように思われます。しかし、プーチンの思考経路に身を置いたら、それほど常軌を逸してはいないのかもしれません」と言った。

プーチンの帝国主義的野心

 実は、2021年7月、プーチンは個人の名前で、「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」と題した論文を発表していた。

 彼はそこで「ロシア人とウクライナ人は1つの民族である」「現代のウクライナはすべてソ連時代の所産である。ウクライナは歴史的にロシアだった土地の上に形成された」と述べており、「私たちの歴史的領土とそこに住む私たちと近しい人々を、ロシアに対抗するために利用することを私たちは絶対に許さない」と警告している。

 この論文はプーチンの帝国主義的野心を示す事例であり、彼はロシア帝国の再建を夢見ている。

 しかし現実には、ウクライナは西側やNATOとの関係を深めている。ウクライナが西側とさらに融合するのを防ぐには、軍事行動が最適の選択肢だというのが、プーチンの判断なのだ。

バイデンの説得

 2021年12月7日、バイデンは秘話ビデオ会談で、ウクライナ侵攻をすれば「ロシアは莫大な代償を払うことになります」とプーチンに言った。

 しかし、プーチンは兵器の配置などの現実的な安全保障上の交渉にはまったく興味がないようだった。彼は、ロシアは権利を侵害された被害者であり、問題の原因に対処する必要があるのはアメリカとヨーロッパであると主張した。

 

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