2022.10.31

編集部:小村

室町時代のビジネス書? 能役者・世阿弥の芸術論に仕事・人生を学ぶ

室町時代のビジネス書? 能役者・世阿弥の芸術論に仕事・人生を学ぶ

 明日11月1日は「本の日」。そして、「古典の日」でもあります。これは、文学、音楽、伝統芸能など、日本古来の文化的所産である古典に親しみ、広く根づかせることを目的とした記念日です。
 ところで、11月1日と古典との関わりは、どこにあるのでしょうか。実は、その由来は『源氏物語』にあります。『紫式部日記』によって源氏物語の存在が確認される最古の日付が、平安時代中期の寛弘5年(1008)11月1日だった――とのこと。古典の日は、これにちなんで2012年に制定されました。(「文化庁月報 平成25年10月号」/文化庁ホームページ)

 古典の日が近いということで、今週は古典をテーマとしたビジネス書をPick Upします。
 ビジネス書で取り上げられる古典といえば、『論語』や『孫子』、『貞観政要』といった中国古典が多い印象ですが、今回は日本の古典をテーマとした本を選びました。

 ご紹介するのは、世阿弥の言葉 ―心の糧、創造の糧(土屋恵一郎 著/岩波書店)。室町時代の能役者・世阿弥の著作から、「初心忘るべからず」をはじめとする珠玉の言葉を選り抜き、ビジネスパーソンに向けて解説した書です。著者の土屋氏は、法哲学の研究者であるとともに、能楽評論家としても活躍されています。

 1363~1443年に生きたと推定される世阿弥。その代表的な著作が40歳前後に書かれた『風姿花伝』ですが、他にも60歳前後に書かれた『花鏡』などがあります。これらの能楽論書は、いずれも「伝書」と呼ばれています。その理由を、土屋氏は本書でこう述べています。

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