10月7日に起きた、イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃。そしてイスラエルによる報復攻撃の開始から、1カ月が経とうとしています。
この間、紛争の解決に向けて、多くの国家や国際機関が動いてきました。
人質の解放を仲介したカタール、戦闘の中断を求める決議案を国連安保理に提出したブラジル、ガザへの医療援助を図るWHO(世界保健機関)…。
様々な国が様々な立場で関わりを持つ中でも、特に目立つのはアメリカの動向です。
バイデン大統領は、10月18日にはイスラエルを訪れ、ネタニヤフ首相と会談。巨額の軍事支援や人道支援を表明して、イスラエルへの連帯を強調しました。
またアメリカは、ブラジルが国連安保理に提出した戦闘の中断を求める決議案に拒否権を発動、イスラエルに「自衛権」を認めるべきとして反対に回りました。反対票を投じたのは、15の理事国の中でアメリカ1国だけです(賛成は12カ国。2カ国は棄権)。
こうしたアメリカのイスラエル支持の姿勢は、歴史的に一貫しています。
例えば、1982年にイスラエルがレバノンに侵攻した際、アメリカはイスラエルを非難する国連安保理決議案に拒否権を行使しています。今回紹介する本によると、その時以降でアメリカがイスラエルを擁護するために発動した拒否権は、実に30回超。アメリカの拒否権行使は、そのほとんどが中東情勢に関するものです。
なぜアメリカは、これほどまでにイスラエル寄りの対応を取るのか?
本書『アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか 超大国に力を振るうユダヤ・ロビー』(佐藤唯行/ダイヤモンド社)はその答えを、アメリカ政治とユダヤ・ロビー組織の関わりの歴史から読み解きます。
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