2004年6月号掲載
そして日本が勝つ 精神から見た世界史
著者紹介
概要
「日本の未来」がいかに明るいかを、日本文化と日本の精神性への洞察に基づいて、歯切れのいいテンポで力説する。それに勇気づけられる人も多いだろう。そしてそこにこそ、本書が今読まれる意味がある。なぜなら、日本には世界に類例のない底力があり、後は「意」の力、つまりその気になりさえすれば復活することができる、というのだから。
要約
これが日本の底力だ!
戦前の日本は、「知」「情」「意」を兼ね備えた人間をつくる教育をしていた。ところが戦後、日本の教育は「知」に偏したものになった。
その結果、勉強はできるが、人情もやる気もない人が、社会の上層部を占めるようになった。
そういう人たちは「意」(主体的な意欲)がないので、せっかくの「知」を、仕事から逃げることに使う。責任逃れの理屈をつくるのに「知」を使っているのだ。
外務省が国民の信用を失っているのも、企業で多くの人がリストラのターゲットになっているのも、能力不足の前に意欲不足がある。
今、日本人に欠けているのは、この「意」である。日本には底力があるのに、それを積極的に使う気がないのだ。
しかし、日本のパワーを使う気になって探せば、たくさんある。身の回りを見回すだけで、たくさんの「パワーの芽」を発見できるのだ。
* * *
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のロナルド・モース教授が、こんな話をしてくれた。
「日本はハイテクの国だと言うが、それは違う。芸術の国だ。例えば、トヨタのレクサス(米国車名)は凄い。あれは車ではなく芸術品だ」
つまり、米国人は自動車をあそこまで芸術品にしようとは思わない。仮に誰かが思いついて命令しても、みんなの足並みが揃わない、というのだ。
ところが日本では、そこまでやろうと思いつく人がいて、全員が心を合わせて芸術品のような自動車をつくる。その技術力もある。