2004年10月号掲載
眼力 人を見抜く「カリスマの目」が持てる本!
著者紹介
概要
あまり知られていない外国の本を発掘し、ベストセラーにする力。その人物の才能とやる気を見抜き、投資をする力…。優れた「眼力」を持つ人は、対象を漠然と見るのではなく、きちんとした目の付け所を持っている。この眼力を鍛える術を、様々な事例を織り交ぜながら説く。“見る目”を持つことの重要さを、改めて認識させてくれる1冊。
要約
自分の「ものさし」1つで勝負する
野球でもサッカーでも、全く注目されていない無名選手を化けさせる監督やコーチがいる。一方、採用試験で冴えまくっていた期待の新人が全く使えないと嘆く人事担当者がいる。
こうしたことが起きるのは、ひとえに「眼力」のなせる技である。眼力とは、「その人の本当の力や可能性を見抜ききる総合的な判断力」である。
そして、眼力の中でも傑出したものが、カリスマ眼力」だ。このカリスマ眼力を持つ人は、「わかりやすい指標を1つ提示する」という具体性とシンプルさを自分のうちに持っている。
判断をするための基準が色々ありすぎると、かえってわかりにくい。逆に、シンプルな自分なりの“ふるい”を持つと強みにつながる。
例えば、志村けんは、コントで絡む女性タレントを発掘する際、自分なりの基準で判定を下す。
その判断材料は、演技力、顔など色々考えられるが、彼は「何かをした時のリアクションの良さで決める」と言う。そのために、彼はまず本人の前で屁をしてみる。腹を抱えて笑うような子は合格、嫌な顔をする子は不合格である。よく笑うということは、お笑いが大好きな証だというのだ。
漫画家の青木雄二は、「人の能力は掃除と買い物をさせてみればわかる」という基準を持っていた。
例えば、ペンを買いに行かせる。だがペンにも色々な種類がある。その時、青木がどのペンを欲しがっているのかわからないようではダメだ、という基準である。掃除の場合なら、見えるところだけやって「できました」と言う者は、仕事でも手抜きをするので使い物にならないと見る。
これらは、自分なりの判定基準を持った上で、具体的な行動をさせた時に、どのようなリアクションをとるかで判断する方法だ。話をするだけではわからないことも、この方法だとはっきりする。
イチローが、結婚相手として、自分の親の面倒を見てくれる女性を求めていたという話がある。
「親の面倒を見てくれるかどうか」は、一般に伴侶を選ぶ判断材料のトップには挙がらない。つまり眼力は、「基準が均等ではなく、その基準の絞り込み方に独自性がある」点に秘密がある。