2005年3月号掲載

いかに「問題社員」を管理するか

Original Title :Harvard Business Review Anthology:How to Renovate Your Problem People

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概要

「あなたの組織にも必ずいる“困った社員”を矯正する技法」── 。本書の帯に書かれたこのコピーを見て、興味を示さない経営者はいないのではないか。仕事はできるが自己中心的な社員、いくら指導しても改善されない「Cクラス社員」…。こうした問題社員を変身させなければならないが、大切なのは、目立たないが地道な努力を続ける「Bクラス社員」の扱いだ!

要約

ボスザル社員を手なずける法

 「問題社員」をどう管理すべきなのか —— 。いかなる組織も、この悩みを常に抱えている。

 問題社員は、高業績を上げる社員の中にもいる。頭が切れ、自信にあふれ、成功をつかむ、という特性を持つ「ボスザル男」だ。マネジャーの7割は、このタイプに属する。

 その名の通り、生まれながらのリーダーで、とにかく人の上に立ち、何でも自分が仕切らないと気がすまない。彼らは、並みの人間には耐えられないような責任を平然と請け負い、その立場から命令を下すことこそ生きがいなのだ。

 だが、彼らの本質的な長所は、周囲にすればわずらわしさであり、時には嫌悪感を呼び起こす。

 例えば、彼らは感情を交えず分析的に物事を考えることができるが、人の感情についてはほとんど好奇心を持たないため、自分が周囲に及ぼす影響について驚くほど鈍感である。自分が怒りや不満をまき散らしていることに気づかないのだ。

 しかし、コーチングをうまく施せば、ボスザル男の力をもっと引き出すことができる。その際に重要なのは、ボスザル男の長所である「ひたすら結果を追い求める」という熱意を削がずに、成果を実現するプロセスを改善させるという点だ。

 2001年当時のデルは、組織全体が結果を出すことに厳しいボスザルの集団だった。

 企業体として成熟する一方、ITバブルが弾けると、当時のCEO(最高経営責任者)のマイケル・デルとCOO(最高執行責任者)のケビン・ロリンズは、業界トップの業績を叩き出すには既存のプロセスを変更する必要性があると感じていた。

 その手始めに、デルの経営幹部全員について360度のインタビュー調査を依頼した。

 その結果、ケビンは自分が「周囲に厳しく独善的」というイメージを与えていること、それが組織全体を鼓舞する上で障害になっていることに気づいた。

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