2005年8月号掲載

「ブランディング」は組織力である

Original Title :Harvard Business Review:Brand Management

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概要

「社員に自社の経営戦略やビジョン、方向性を知らしめる重要性を理解している経営陣は多いのですが、ブランドを知らしめる重要性を理解している経営陣は皆無に近いと言っても過言ではありません」。本書はこのように述べるが、その通りだろう。“ブランド”は、日本の経営者が最も苦手とする分野かもしれない。そんな経営者にお薦めの1冊。

要約

コーポレート・ブランドを育成する

 ブランド・エクイティを高めれば、顧客ロイヤルティが向上し、利益が創出される —— 。

 この事実を「商品ブランド」から「コーポレート・ブランド」へと昇華させたのが、ディズニー、マイクロソフト、ソニーといった企業である。多くの商品を1つの傘の下に収めて、収斂されたイメージを創出する力は、他社の追随を許さない。

 この3社の商品を目にして、消費者は「個」から「全体」のイメージを容易に連想できる。例えば、ディズニーなら「楽しさ」、ソニーなら「高品質」といった具合である。

 こうした強力なコーポレート・ブランドを築くには、3つの基本要素が整合される必要がある。

 その3要素とは「ビジョン」「企業文化」「イメージ」であり、これらを「戦略の星」と呼ぶ。

 この3要素を整合させるために、経営陣はスキルと意志を、その目標達成に向けて集中させなければならない。なぜなら、経営陣、社員、ステークホルダーという企業を構成する3つのグループが戦略の星の原動力として機能しており、その整合こそが経営陣の使命だからである。

 その際、次のように考えてみるとよい。

・ビジョン

 経営陣が自社に抱いている願望。

・企業文化

・イメージ

 第三者が自社に対して抱く全体的な印象。

 コーポレート・ブランドを効果的に構築するには、まず経営陣が、戦略の星にどのようなギャップが存在するかを明らかにしなければならない。

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