2006年1月号掲載
だから、改革は成功する
- 著者
- 出版社
- 発行日2005年10月27日
- 定価1,760円
- ページ数186ページ
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著者紹介
概要
必死に改革に取り組んでいるのに、なぜか成果が出ないという組織は少なくない。その原因は何なのか? 成功した改革は何が違うのか? こうした疑問に、明確な答えを示してくれるのが本書だ。大企業、ベンチャー、中央省庁、役場、美術館、動物園など、40件もの案件を手がけてきた改革のプロが、現場発の改革ノウハウを伝授する。
要約
改革は、サイエンスだ!
NHKが放送している「プロジェクトX」。この番組は、実際に起きた改革のプロセスをわかりやすく説明してくれるものだ。だが、その改革事例には日本人が陥りがちな問題点がいくつかある。
1つは、プロジェクトマネジメントの欠如である。番組のストーリーは、多くの場合、次のように展開する。まず会社が危機に陥る。未経験の若者が駆り出され、プロジェクトチームができ上がる。中堅リーダーの下で、休日返上、徹夜の作業が続く。やがて目標達成の直前で事件が起き、瀬戸際に追い込まれる。しかし、そこで奇跡が起きて、一気にプロジェクトは成功に至る —— 。
果たしてこれが上手なプロジェクトマネジメントなのか。そもそも徹夜を重ねるのは無理がある。「思いもよらぬ試練」が不意に現れるというのは、リーダーに先を見通す力がないということだ。
リスクマネジメントへの疑問もある。この番組で紹介されるのは、倒産の危機に追い込まれた企業の社運をかけた“最後の賭け”である場合が多い。だが、それは経営者の怠慢といえなくもない。
また、根拠なき精神主義も問題である。「プロジェクトX」の常套句は「思いは叶う」である。ひたすら念じ続ければ夢が実現するというものだ。それは挑戦者たちへの応援歌としてはよくわかる。だが本来は、周到な調査を重ね、リスクヘッジし、その上で挑戦するべきではないか。
「プロジェクトX」に酔いしれがちな日本人に必要なのは、「改革のサイエンス」=チェンジマネジメントである。チェンジマネジメントとは、変革をいかにマネジメントするかということだ。
改革は、普通ではできないはずの偉業を成し遂げる作業である。従って、そこには精神論やロマン、芸術的なひらめきが必要となる。
同時に改革とはノウハウの固まりであり、色々なテクニックも必要とする。それらを駆使すれば、成功確率も高まる。これが改革のサイエンスだ。サイエンスを無視して「奇跡は起こった」とか「思いは叶う」といった情念に訴えてはいけない。
なぜ、その改革は成功しないのか?
現在、多くの企業、行政、NPOが改革に取り組んでいる。だが、そうした改革には空回りしているものが多い。必死で取り組んでいるにもかかわらず、成果が出ないのはなぜか?
問題点を洗い出すポイントは、次の5つである。