2006年11月号掲載
数年後に起きていること 日本の「反撃力」が世界を変える
著者紹介
概要
サブタイトルはズバリ、“日本の「反撃力」が世界を変える”。「統計に出てくるようではもう遅いし、大切なことほど統計には表れない」と喝破する著者が、鋭い先読みと斬新な視点で“自信を回復した”日本の今後を予測する。例えば、日本は経済的には独走し、ニートやフリーターと呼ばれている若者たちこそが日本の未来産業を担うことになる、という。
要約
日本はこうして独走する!
「日本は今、かつてない大変革の真っ最中」だとよく言われる。では、今までの時代とどこが一番違うのか?
一言で言えば、国際的地位が変わった。追いつけ追い越せだったのが、今は追い越してしまった。
そこの意識を変えないと、何をやっても空回りになる。追い越しているのに、まだ「追いつけ、マネをせよ」と議論しているのはおかしい。
もっと素直に、日本はダントツのトップランナーだと認めれば、全てが明らかに見えてくる。
経済で言えば、バブル経済を卒業して、日本人の意識が変わった。
米国的贅沢を卒業した上でのシンプルライフで、中進国のシンプルライフとはそこが違う。銀座のフランス料理はもう食べた。美味しかったが、今は奥様の手料理の方がいい、というわけだ。
贅沢を卒業してのシンプルライフができるのは、日本には一休さんや良寛さんのような生活を、風流人と言って誉める伝統があるからだ。
彼らは、実は贅沢ができるのに乞食坊主になった。それを、日本人は「偉いものだ」と言っている。そういう感性と伝統がある。
今の日本の若者はそれだろう。見栄を捨て、美味しいと思うものを食べ、着たいものを着、行きたいところへ行ける。つまり、世間評価の格を超えた自由人で、余計な見栄を張る必要がない。
そういう自由な心の段階に達し、自分に自信のある人しかトップランナーとしては走れない。その点で、今の若者は大いに期待できる。
「美の経済」「風流産業時代」が始まった
日本はハイテクの国だと言うが、実は「芸術の国」である。