2007年5月号掲載
IKEA 超巨大小売業、成功の秘訣
Original Title :DIE 11 GEHEIMNISSE DES IKEA-ERFOLGS
- 著者
- 出版社
- 発行日2007年2月21日
- 定価1,980円
- ページ数326ページ
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著者紹介
概要
イケア(IKEA)は今や世界33カ国に店舗を展開し、総売上高3兆円弱を誇る、家具・インテリア販売では世界最大の企業だ。その成功の要因は、優れたデザインと破壊的な価格、究極のローコスト経営、そして、20世紀最高の経営者の1人とされる創業者の経営哲学にある。スウェーデンの田舎町からスタートして、世界一に。本書は、この奇跡の家具店の秘密に迫る。
要約
イケアの成功の秘訣とは?
今や、家具インテリアの巨大コンツェルンとなった「イケア」。そのイケアが、本国スウェーデンでの成功を元に、ドイツに1号店をオープンしたのは1974年のことだ。以来、ドイツの店舗は増え続け、今では本国の2倍半以上にもなった。
イケアにとってドイツは最大のマーケットであり、2005年度の全ドイツ36店舗の売上は、28億ユーロに達している。
さらに、イケアの成功はドイツだけにとどまらない。今や、アラブ人もロシア人も中国人も皆イケアで家具を買っている。世界33カ国に230店以上を展開する、まさに多国籍企業だ。
だが、今でこそ世界を股にかけるイケアも、元はというと、スウェーデンの片田舎の実業学校の生徒が、たった1人で始めた個人企業にすぎない。
それがなぜ、世界最大の家具店にのし上がれたのか? その成功の秘訣は、次の通りである。
①価格
創業者イングヴァル・カンプラードは、社員らにこう命令する。
「値段を下げるためならどんな苦労も厭うな。他社とはっきり差をつけることが至上命令だ」
イケアのヒット商品は、計算した安値戦略によって作り出される。
例えば、LACK(ラック)という名前のサイドテーブルは、90年には26ユーロだった。だが、新しい生産方法によって生産コストをどんどん安くでき、それにつれ、ますます多くのお客がこの商品を求めた。
需要が増えれば、より安くより大量に生産できる。06年にはわずか9.99ユーロになり、90年当時の8倍の200万個が売れた。
イケアでは、「新しい製品を作るならまず値段をデザインしろ」という決まり文句がある。