2007年5月号掲載

IKEA 超巨大小売業、成功の秘訣

Original Title :DIE 11 GEHEIMNISSE DES IKEA-ERFOLGS

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著者紹介

概要

イケア(IKEA)は今や世界33カ国に店舗を展開し、総売上高3兆円弱を誇る、家具・インテリア販売では世界最大の企業だ。その成功の要因は、優れたデザインと破壊的な価格、究極のローコスト経営、そして、20世紀最高の経営者の1人とされる創業者の経営哲学にある。スウェーデンの田舎町からスタートして、世界一に。本書は、この奇跡の家具店の秘密に迫る。

要約

イケアの成功の秘訣とは?

 今や、家具インテリアの巨大コンツェルンとなった「イケア」。そのイケアが、本国スウェーデンでの成功を元に、ドイツに1号店をオープンしたのは1974年のことだ。以来、ドイツの店舗は増え続け、今では本国の2倍半以上にもなった。

 イケアにとってドイツは最大のマーケットであり、2005年度の全ドイツ36店舗の売上は、28億ユーロに達している。

 さらに、イケアの成功はドイツだけにとどまらない。今や、アラブ人もロシア人も中国人も皆イケアで家具を買っている。世界33カ国に230店以上を展開する、まさに多国籍企業だ。

 だが、今でこそ世界を股にかけるイケアも、元はというと、スウェーデンの片田舎の実業学校の生徒が、たった1人で始めた個人企業にすぎない。

 それがなぜ、世界最大の家具店にのし上がれたのか? その成功の秘訣は、次の通りである。

①価格

 創業者イングヴァル・カンプラードは、社員らにこう命令する。

 「値段を下げるためならどんな苦労も厭うな。他社とはっきり差をつけることが至上命令だ」

 イケアのヒット商品は、計算した安値戦略によって作り出される。

 需要が増えれば、より安くより大量に生産できる。06年にはわずか9.99ユーロになり、90年当時の8倍の200万個が売れた。

 イケアでは、「新しい製品を作るならまず値段をデザインしろ」という決まり文句がある。

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