2007年7月号掲載

オーバーアチーブ 組織力を高める最強の人材

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著者紹介

概要

「オーバーアチーブ」とは、期待を超えるということ。そして、そうした高い能力を持つ人材を「ハイ・パフォーマー」という。本書では、このハイ・パフォーマーになるための心の持ち方、トレーニングの仕方、そして会社がそうした人材を発掘して育てるまでの方法を紹介する。組織において「最強の人材」を目指す人、育てたい人の両方にとり有用な1冊である。

要約

『ベン・ハー』に学ぶ人材活用術

 『ベン・ハー』という、世界中で大ヒットした映画がある。

 —— 時はキリストの時代。主人公ベン・ハーがアラブ人の族長と出会った。族長は彼を気に入り、親愛の証に自慢の駿馬を披露すると申し出る。

 そして駿馬が4頭、戦車に配置された。族長は得意満面だった。だが、走り始めた戦車は、コーナーを曲がりきれずコースの外にはみ出し暴走してしまった。族長はカッとなり、御者を怒る…。

 この時ベン・ハーは、こうアドバイスをした。

 「遅い馬を内側に、よく走る馬を外側において、走らせればいいのです」

 感心した族長は、ベン・ハーに戦車レース出場を持ちかけた。出場を決意したベン・ハーは、さらに「勝つ」ためのアドバイスを加えた。

 「競技では、力を合わせて走る訓練をしなければ負けます。試合では、遅い馬のペースになり、一番速い馬は厄介者になってしまうからです」

 そして、レースでベン・ハーは見事に勝利した。

  • ①よく走れる馬を存分に走らせる
  • ②戦車のスピードに合わせて、速い馬の能力を抑えることはしない。
  • ③全ての馬を速い馬に合わせて走るよう訓練する

 この「馬」を「人」として考えると、ここに組織の人材活用術のエッセンスがある。

  • ①よく走れる馬、つまり能力の高い人材には、多くのチャンスを与える
  • ②戦車、つまり組織のレベルに合わせて、出る杭を打ったりはしない
  • ③全ての馬、すなわち人を、能力の高い人材に引っ張らせる

 この『ベン・ハー』のメソッドこそ、組織を活性化させる近道である。彼が指摘するように、戦車(組織)は遅い馬(能力の低い人材)のレベルで定着するものなので、まずは駿馬を育て、思う存分に走らせる。そして駿馬に遅い馬を引っ張らせることができれば、組織の力は底上げできる。

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