2023年3月号掲載
出世 7つの法則
Original Title :7 RULES OF POWER (2022年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2023年1月24日
- 定価2,200円
- ページ数289ページ
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著者紹介
概要
権力者は何をしても許される。だから“頂点”を目指せ ―― 。組織行動学の専門家である著者はそう説き、成功者に共通する原理原則を明かす。「ルールを破れ」など、一見常識に反する法則もあるが、その内容は組織を動かす力学や駆け引きを踏まえたもの。権力を手にし、出世するために必須の原則を示した、実践的な書である。
要約
法則:自分の殻を抜け出せ
私は組織内の権力や政治について、世界中の学生に教えている。その中で権力を手に入れ、キャリアと人生を好転させるための行動をどう取るか、すなわち「権力の法則」の考え方を説いてきた。
そして政財界の成功したリーダーを観察し、権力に関する社会科学研究を見直すうちに、この法則は7つあるという結論に至った。例えば ――
権力獲得の最大の障害は自分自身
才能があり、申し分のない業績を上げている人が、自分で自分をおとしめるようなセルフイメージを持っているために、出世の見込みが閉ざされてしまうことがある。このような人たちは、自分で自分の首を絞めているようなものだ。
自分を卑下せずに、ポジティブなセルフイメージを描くことが、権力と地位を手に入れるカギだ。あなたが自分を「有能で成功する人間」だと思っていなければ、ネガティブな自己評価は他人にも伝わってしまう。
出世競争では、ライバルのことや上司の評価、自分の相対的な能力を気にしすぎる人が多い。こうしたことはもちろん重要だが、おそらく権力獲得への最大の障害となるのは、自分自身である。
「自分らしさ」の呪縛
権力を獲得するための方法はいろいろある。だがそれを実践するには、まず自分の殻を抜け出し、状況に応じて必要なことをしなくてはならない。
なぜ、人は自分の殻に閉じこもってしまうのか? その理由の1つは、自分らしさを大切にする「オーセンティック」リーダーシップ論にある。
こうしたリーダーは、ありのままの自分を大切にし、正直な感情や意見を表すことを重視する。そのため、ネットワークをつくる、上司を引き立てる、自分の業績を売り込むといった、権力を獲得するための行動を取ろうとしないのだ。
だが、オーセンティック・リーダーシップなどというものは本質的に眉唾ものだ。「自分に嘘をつくな」「心の指針に従え」といった教えは、リーダーの成功の秘訣にはならない。リーダーに必要なのは、味方と後ろ盾だ。その両方を集めるのが、リーダーの主な仕事と言っていいだろう。あなたの仕事仲間はそれぞれ違う目的や不安、問題を抱えている。だから自分ばかりに目を向けるのはやめて、味方につけたい人、味方にできそうな人を見きわめよう。
法則:ルールを破れ
権力を得るためには、ルールや社会規範を破るなど、思いがけない行動に出て、主導権を取ることが欠かせない。規範やルールに背く人は、様々な心理的メカニズムが働く結果、権力を持っているように見える。こうした人は、そのおかげで権力を実際に手に入れるのだ。