2020年4月号掲載
SUPER MTG スーパー・ミーティング
Original Title :THE SURPRISING SCIENCE OF MEETINGS:HOW YOU CAN LEAD YOUR TEAM TO PEAK PERFORMANCE
- 著者
- 出版社
- 発行日2020年1月30日
- 定価1,870円
- ページ数285ページ
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著者紹介
概要
ミーティングは出席者の時間を奪い、組織を疲弊させてしまいがち。ゆえにたいていの企業は、それを「時間の無駄づかい」「必要悪」などと捉えている。だが、ミーティングの問題を改善し、生産性を上げることは可能だ。そう語る組織心理学者が、自らの研究成果を基に、ミーティングの有効性を高める具体的ノウハウを披露する。
要約
ミーティングをアップグレードする
ミーティングは組織やチームにとって欠かせない存在だ。しかし、ミーティングはとにかく時間を食う。個人の時間も、組織の時間も奪われる。
最近の試算によると、アメリカでは1日に5500万回のミーティングが行われているという。出席者の時給で換算すると、すべてのミーティングにかかる費用は膨大な額になる。実際に計算したところ、年間で1兆4000億ドルだ。2014年におけるアメリカのGDPの実に8.2%にもなる。
そして、ここまで時間とお金を投資しているのに、たいしたリターンは得られていない。企業の人事専門サイトが職場での時間の無駄づかいについて調査を行ったところ、回答者3164人のうち47%が「ミーティングが多すぎる」ことが一番の無駄づかいだと答えたという。
悲しいことに、たいていの企業もリーダーも、無駄なミーティングは「必要悪」だと考えている。なぜなら、それ以外の方法を知らないからだ。
また、悪いミーティングはさらに悪いミーティングを生むという悪循環もある。組織全体で、非効率的なことをするのが当たり前という空気ができあがってしまうのだ。
それらの要素が組み合わさり、誰もが「ミーティングとは無駄なものだ」と、あきらめてしまう。
だが、その気になればミーティングは改善できる。私は15年以上にわたり、研究チームのメンバーとミーティングに関する調査を行っている。そして、それをもとに、ミーティングの有効性を上げ、生産性を高める数々の方法を生み出した。
その中から、いくつか紹介しよう。
仕切り役に起きる「妄想」
心理学者のデイヴィッド・マイヤーズが提唱した「レイク・ウォビゴン効果」というものがある。これは、自信過剰になる人間の傾向を表した言葉である。たいていの人は自分の知識、スキル、能力、性格的な特性を過大評価している。
つまり簡単にいうと、人間の大部分が「自分は平均より上だ」と思っているということだ。
同様のことは、ミーティングのリーダーシップについてもいえる。