2007年7月号掲載
顧客力を高める 売れる仕組みをどうつくるか
著者紹介
概要
売れるモノやサービスを、生み出し続ける ―― 。この全ての企業にとっての共通の願いを実現するカギ、それは「顧客力」の向上にあると著者は言う。顧客力とは、顧客を企業の中に取り込んでいく力のこと。本書では、企業の成長に欠かせないこの力を、「マーケティング脳」と「場の構築力」という2つの要素に分けて解説、それぞれの高め方を指南する。
要約
今、求められる「顧客力」
思うようにモノやサービスが売れない —— 。今、多くの企業がこうした状況に直面している。
だが一方で、新製品を次々に生み出しながら、常に成長している企業も存在する。
その成功のカギは何か? それは、「顧客力」(顧客を企業の中に取り込んでいく力)である。
企業の成長は、企業と顧客の間の「好循環」が拡大していくことにある。大切なのは、1回限りのヒット商品などではない。それらを継続して生み出していく仕組み・能力にこそある。
「問われるべきは、『何ができたか(what)』ではなく『なぜできたか(why)』である」と言い換えてもいい。ANAのハイヤー送迎サービスの、何がよかったのかではなく、なぜこのサービスを他社より先に生み出せたのか —— 例えば、そのように考えるということである。
こう考えると、顧客力とは、顧客に受け入れられるモノやサービスをコンスタントに生み出していく能力にこそ求められるべきものだと言える。
そして、この顧客力は「マーケティング脳」と「場の構築力」という2つの要素に分けられる。
・マーケティング脳
売れるモノを生み出すには、徹底的に顧客に歩み寄り、顧客の「ツボ」を、小さいけれど大事な世の中の変化の兆しを見つけねばならない。
単に顧客が何を望んでいるかだけでなく、顧客が何を感じているかを理解できる能力を磨き、フル活用しなければならないのだ。
そこで必要となるのは、知識やスキルだけではない。つい見過ごしてしまいそうなことを「感じる能力」や「マインド」である。
つまり、マーケティング脳とは「顧客と共鳴できるユニークで柔軟な発想力」のことなのだ。