2008年2月号掲載
デッドライン仕事術 すべての仕事に「締切日」を入れよ
- 著者
- 出版社
- 発行日2007年12月25日
- 定価814円
- ページ数194ページ
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著者紹介
概要
「早朝会議」で知られるトリンプ前社長、吉越浩一郎氏が、ホワイトカラーの仕事効率を上げる術を指南する。その単純明快な仕事術のみならず、判断の仕方やキャリアアップのための思考法等も紹介されており、“吉越式仕事術”の全てを知ることができる。日々の残業に辟易している人、判断が遅く機を逃している人など、多くのビジネスパースンの参考になるだろう。
要約
仕事のスピードを3倍にする
なぜ、日本の会社は残業が多いのか。その原因は、ホワイトカラーの生産性が低いことに尽きる。
ただし、ものづくりの現場である工場は高い生産性を保っている。なぜ、ブルーカラーにできることがホワイトカラーにできないのか?
それは、ホワイトカラーと違って、工場の仕事は「効率の良し悪し」が誰の目にも見えるからだ。
例えば、AさんからZさんまで26人の従業員が流れ作業で製品を作っているとする。そのうち25人は1時間に10の仕事がこなせるが、Jさんだけが5の仕事しかできない。すると、Jさんのところに半製品が溜まって作業が滞る。
その状況を改善するには、Jさんに効率よく作業をさせるような工夫をするか、能力を持った人に交代させればいい。
しかし、ホワイトカラーの仕事はそうはいかない。実際は工場と同じように流れ作業で動いているはずだが、全体の生産性が上がらない時、どこに半製品が溜まっているのかが見えないのである。
従って、ホワイトカラーの生産性を上げるには、まずは各自の仕事の進捗状況を「可視化」することで、問題を顕在化させることだ。誰が流れを堰き止めているのかを明らかにしなければ、全体の作業を効率化することはできない。
生産性を下げている3つの問題点
そもそも日本のホワイトカラーの生産性を下げている問題点は3つある。
まず、「やる必要のない作業に多くの時間を費やしている」ことだ。
例えば書類を作成する時、見栄えを整えることに熱心な人がいる。上司を説得するための資料までパワーポイントで作る。同じ内容を伝えるのに時間が余計にかかるなら、それは無駄でしかない。
2番目は、「集中して仕事をしていない」ことだ。日本では皆が机を並べて仕事をしているので、話しかけられて作業を中断させられることが多い。