2008年3月号掲載
朝令暮改の発想 仕事の壁を突破する95の直言
著者紹介
概要
「朝令暮改」といえば、ネガティブな意味で捉えられることが多い。だが変化の激しい今日、一度言ったことでも躊躇なく変更し、変化に対応することが大切だ。―― こう述べる鈴木敏文氏が、50年余に及ぶ仕事生活の中で培った思想・哲学を説く。革新的な経営で、次々と無から有を生み出してきた氏ならではの発想に、仕事とは何なのかを改めて考えさせられる。
要約
仕事の壁を突破するための直言
1973年に、今でいうところの社内ベンチャーとして創業したセブン-イレブン。当時から見れば今は、人、モノ、金の3要素は揃っているが、社員に求めるものは何も変わっていない。
それは、常に危機感と緊張感を忘れずに困難に挑戦していく、ということだ。その意識を一瞬でも忘れ、「このくらいやればいいだろう」と慢心した時からマンネリ化がはびこり、衰退が始まる。
いわゆる知能指数的な優秀さで測れば、どの会社にもたくさんの優れた人たちがいるだろう。
だが、そうした優秀さよりもはるかに重要なのが、どのような考え方で仕事に立ち向かっていくか、その人の仕事の取り組み方である。
あなたは本当に「仕事」をしているだろうか?
挑戦しない人は仕事をする気がないのも同じだ
一生懸命仕事をしているのに、思うように成果が出ない —— そう思い悩んでいる人は、果たしてどれほど踏み込んで、挑戦しているだろうか。
そもそも、本当の意味で「仕事をする」とはどういうことだろうか。
自分で問題を見つけ、答えを出し、解決していく。それができて初めて「本当の仕事」といえる。
高度成長期には、昨日も今日も同じものが売れたから、誰が考えても出てくる答えは同じだった。
しかし今は、ニーズの変化が激しく、昨日正しかった答えが明日も正しいとは限らない。だから、一歩踏み込んで新しいことに挑戦し、自分で答えを出していかなければならないのである。
変化の激しい時代には、むしろ今まで通りのことを続けている方がかえってリスクが大きく、新しいことに挑戦することでリスクが回避されるという発想に切り替えるべきだ。