2008年9月号掲載
一気に業界No.1になる! 「新・家元制度」顧客獲得の仕組み どんなビジネスにも使える! 継続率96%の秘密
著者紹介
概要
優良顧客、優れた人材が集まり、粗利も大幅アップ。こんな夢のようなビジネスモデルが、本書の紹介する「新・家元制度」だ。どんな分野であれ、業界の知識を標準化して認定制度を作り、インストラクターを育てるだけで、一気に数万の顧客を集められるという。ビーズアクセサリーはじめ、この手法で成功を収めている様々な事例をもとに、そのノウハウを詳述する。
要約
インストラクター事業とは?
新興企業は、広告宣伝・営業活動で効率的に集客できたとしても、ある程度成長した後は、行き詰まりを感じてしまいがちである。
なぜなら、大手企業のような圧倒的な信頼を築くことは、株式上場でもしない限り難しいからだ。
だが、このブランディングにおける見えない壁を、一気に打破する方法がある。「新・家元制度=インストラクター事業」だ。
これは、短期間で究極のビジネスモデルである“家元制度”を作り上げようというもので、一気に数万人もの顧客を集めることができる。
このインストラクター事業のビジネスモデルは、日本ヴォーグ社に始まる。
同社は、編み物分野の出版社として成功を収めていたが、出版事業を始めてから10年後、編み物の教育事業を始めた。さらに1961年、編み物のテクニックを教える(社)日本編物文化協会を設立し、編み物の先生としての認定証を発行した。
そして、認定した先生を公益法人の会員として組織化したのである。その結果、先生たちは公益法人に所属しながら、日本ヴォーグ社のテキストや本を販売する形になった。
この「公益法人を作る」という発想が、素晴らしいものだった。
女性は自分が所属する教育機関が公益法人であることで安心するし、自分たちが編み物をすることで公益法人を盛り上げていこうというモチベーションのアップにつながるからだ。
結果として、日本ヴォーグ社の仕掛けた編み物の教育事業は大成功した。
当時2万円もした講座に全国各地から大勢の女性が集まり、86年のピーク時には10万人の会員がこの公益法人に在籍するほどであった。