2008年11月号掲載
未来を予見する「5つの法則」 弁証法的思考で読む「次なる変化」
著者紹介
概要
先が見えない時代と言われて久しい。だが、「弁証法的思考」を身につけ、大局観を働かせることで未来を予見することができる。こう語る著者が、弁証法の哲学 ―― 世界の発展の「5つの法則」をわかりやすく説く。そしてこの法則を基に、これから起こるパラダイム転換を具体的に指摘する。こうした未来予測の法則を理解すれば、日々の出来事は冷静に見つめられる。
要約
「弁証法的思考」とは?
未来は「予測」できないが、「予見」はできる。すなわち、「具体的な変化」は予測できないが、「大局的な方向」を予見することはできる。
では、未来を予見するための大局観はいかにして身につければよいのか? それには、自然、社会、人間を含む全ての物事がいかに変化し、進化していくのか、その法則を学ぶことである。
その法則は、哲学 ――「弁証法」を学ぶことによって学べる。弁証法は、次に示す、世界の発展の「5つの法則」を教えてくれる。
①「螺旋的プロセス」による発展の法則
第1の法則は、「螺旋的プロセス」による発展の法則である。すなわち、世界は螺旋階段を登るように、円環的な運動をしながら発展する。
螺旋階段を登る人の姿を、遠く、横から眺めていると、より高い位置へと「進歩・発展」していくように見える。
一方、高く、上から眺めていると、この人は階段を1周回り、元の位置に戻ってくる。すなわち、昔の場所に「復活・復古」していくように見える。
だが、単に元の場所に戻るのではなく、必ず一段高い場所に登っている。それは古いものが新たな価値を伴い、復活してくるプロセスなのである。
例えば、先進的なビジネスモデルに「ネット・オークション」「逆オークション」がある。
オークションとは「競り」のこと。逆オークションとは「指値」のことである。
今、これらのサービスを使って、商品の売買を行う人が増えている。しかし、よく考えると、これは決して新しいビジネスモデルではない。競りや指値という方式は、昔からあったからだ。
では、なぜそのビジネスモデルが消えたのか。