2009年4月号掲載
こうして私は外資4社のトップになった
著者紹介
概要
グローバルビジネスに携わること30余年。日本ペプシ・コーラをはじめ外資企業4社のトップを歴任した著者が、その経験で培った世界に通用する“ビジネスノウハウ”を披露する。「論理力」「数字を読む力」など9つのスキルと、「失業者感覚を持つ」など7つの心構え。ここで説かれる事柄は、グローバル化の進む今日、誰もが知っておきたいものばかりである。
要約
外資で結果を残すためのスキル
グローバル化が進む今日、ビジネスパーソンには、世界に通用するビジネススキルが欠かせない。
日本ペプシ・コーラ、日本ケンタッキーフライドチキン、ナイキジャパン、LVMHグループ ゲラン。これら外資4社での経営経験で得た「外資で結果を残すためのスキル」―― 世界で戦うためのスキルには、例えば、次のようなものがある。
英語 ―― まず日本語に長ける
ビジネスパーソンにとって、英語は重要なスキルである。その一方で、「聞く方は何とかなるが、しゃべるのがダメだ」といった悩みをよく聞く。
しかし、これはそもそも日本語が問題なのではないか?
多くの日本人は言いたいことを論理的に展開する訓練を受けていない。そのため、英語云々の前に、日本語による論理的な表現力が育っていない。
日本語による論理的表現にある程度長けていれば、そのまま英語に変換すれば外国人に通じる。
ビジネスで英語を使いたいなら、まず自分の考えを日本語で論理的に表現する能力を磨くことだ。
論理力 ―― 世界共通のゲームのルールは「論理」
外資ビジネスにおいては、論理的であることが最重要視される。その背景には、個人主義がある。
個人主義の一番良いところは、相手の考えを互いにリスペクト(尊敬)し合うこと。基本的に、個人が自由に考え行動していることに干渉しない。
だが、ビジネスでは交渉などで相手に干渉せざるを得ないこともある。そんな時、日本では地位や力関係で強制的に一方を従わせることが多い。
これに対し、個人対個人、組織対組織が対等である欧米では、極論すると「決闘・戦争する」か「議論で説得する」かのどちらかで決着をつける。