2009年8月号掲載
人を動かす[新装版]
Original Title :HOW TO WIN FRIENDS AND INFLUENCE PEOPLE
著者紹介
概要
人間関係に関する研究の先覚者、デール・カーネギーの代表作。原題は『How to Win Friends and Influence People』(友をつくり人を動かす法)で、1936年に初版が発行されて以降、半世紀以上を経た今日でも世界中で売れ続けている。それは、人を動かす、人を説得する、人に好かれるといった対人関係の問題は、いつの時代の人間にとっても、困難で、切実な課題だからだろう。
要約
人を動かす3原則
自分の思うように、人を動かす。
そのためには、次の3原則を守る必要がある。
①批判も非難もしない。苦情も言わない
「俺は働き盛りの大半を、世のため人のために尽くしてきた。ところが、どうだ ―― 俺の得たものは、冷たい世間の非難とお尋ね者の烙印だけだ」
こう嘆いたのは、暗黒街の王者アル・カポネだ。彼ほどの極悪人でも、自分では悪人だと思っていなかった。むしろ自分は慈善家だと考えていた。
人は、たとえ自分がどんなに間違っていても、決して自分が悪いとは思いたがらないものだ。
人の過ちを正したりすると、相手は逆にこちらを恨む。人を非難するのは、天に向かって唾するようなもので、必ずわが身に返ってくる。
若い時は人づきあいが下手だったベンジャミン・フランクリンは後年、人を扱うのがうまくなり、駐仏米大使に任命された。
彼は、「人の悪口は決して言わず、長所をほめること」が、その成功の秘訣だと言っている。
人の批評、非難は、どんな馬鹿者でもできる。そして、馬鹿者に限ってそれをしたがるものだ。
人を非難する代わりに、理解するよう努めよう。どうして相手がそんなことをしでかすに至ったか、よく考えてみよう。その方がよほど得策である。
②率直で、誠実な評価を与える
人を動かす秘訣は、この世にただ1つしかない。「自ら動きたくなる気持ちを起こさせること」だ。言い換えれば、相手の欲しているものを与える。