2012年11月号掲載
カーネギー 話し方入門〈新装版〉
Original Title :HOW TO DEVELOP SELF-CONFIDENCE AND INFLUENCE PEOPLE BY PUBLIC SPEAKING
著者紹介
概要
人間関係の神様と呼ばれ、『人を動かす』『道は開ける』の著者として知られるデール・カーネギーは、元々は話し方教育の専門家としてスタートした。そんな彼が、人前で話す秘訣を解説した1冊である。大勢の聴衆の前に立つと、恐怖心で頭がボーッとして、言葉が出ない…。こうした悩みを解消し、自信を持って話せるようになるためのノウハウの数々が披露される。
要約
上手な話し方の秘訣
英国議会には、次のような諺がある。
「肝心なのは話す内容ではなく、話し方だ」
たいていの諺と同様、これもいくぶん割り引いて受け取っておいた方がよいだろう。しかし、確かに、内容のない話でも話し方がうまいと、人に受け入れられるものである。
では、上手な話し方とはどのようなものか?
15人程度の会議であれ、1000人を超える大集会であれ、聴衆が話し手に求めるのは、聴衆の中の1人を相手に話すのと同じような、普通の、自然な話し方である。それは、次のようなものだ。
①重要な言葉を強調する
会話では、私たちは1語の中の1音節を強く発音し、その他の音節は大急ぎで発音する。センテンスも同じで、1つか2つ重要な言葉を強調する。
耳を澄ましてみれば、いつもあなた方の周りでそういうことが行われているのがわかる。
ここに1つ例文がある。傍点の言葉を強調して読み、どんな効果があるか試してみよう。
「私は手がけたことには全て成功してきた。なぜならそう決意したからだ。躊躇したことなど一度もない。だから人より優位に立つことができたのだ」―― ナポレオン
②調子を変える
会話の時の声の調子は、高くなったかと思うと低くなるという具合に、休みなく揺れ動く。
そのわけは誰も知らない。だが、その結果、耳に心地よく聞こえる。それが自然というものだ。