2020年11月号掲載
最強の集中力 本当にやりたいことに没頭する技術
Original Title :indistractable:How to Control Your Attention and Choose Your Life
著者紹介
概要
集中したいのに、つい気が散ってしまう…。その原因として、スマホやSNS、ゲームなどがよく挙げられるが、これらは表面的な原因にすぎない。気を散らさないためには、根本的な原因に向き合い、対処する必要がある。自らも注意散漫に苦しんだという著者が、集中力を保つために踏まえるべきこと、具体的な方法を説く。
要約
「集中」と「注意散漫」
私はこれまで、食後に甘いものを食べ過ぎたり、夜中までネットフリックスで映画を観たりといったことを無意識にやっていた。
ジャンクフードの食べ過ぎは体に悪い。デジタル機器の使い過ぎも様々な悪影響を及ぼす。
そこである日、私は自分を変えようと考えた。そして、極端な方向へ走った。スマホをやめ、旧式の携帯電話を使い始めた。インスタグラムやツイッターができないようにするためだ。
また、執筆中に気が散らないよう、インターネットにつながらない90年代のワープロを買った。だが、執筆しようとすると、すぐ本棚に目が行き、仕事とは関係のない本を取り出してパラパラめくりだす。注意散漫の原因と見なしていたハイテク製品が身の回りになくても、集中できなかった。
誰でも、ソーシャルメディアのつぶやきを読み続けても、本物の友人と過ごす時のような豊かな気分になれないことはわかっている。仕事の生産性を上げるには、時間の無駄遣いをやめ、実際に仕事をすべきだということも承知している。そう、何をすべきかを知っている。知らないのは、どうすれば気を散らさずにいられるかということだ。
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私たちの行動は、次の2つに大きく分けられる。
・集中(トラクション)
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- 自分が本当に望むものに自分を向かわせる行動
・注意散漫(ディストラクション)
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- 自分が本当に望むものから自分を遠ざける行動
そして、集中に向かうものも、注意散漫に向かうものも、内部誘因か外部誘因によって促される。
内部誘因は、私たちの内側から行動を促す。おなかがグーグー鳴ると、おやつを探す。ストレスを感じると、助けを求めて友人に電話をかける。
一方、外部誘因は、外から行動を促す。メールの着信音やアラート機能などがそれに当たる。
集中は目標の達成を助け、注意散漫は、私たちを目標から遠ざける。当然ながら問題は、現代社会が注意散漫の原因にあふれていることにある。