2009年9月号掲載
EQ こころの知能指数
Original Title :EMOTIONAL INTELLIGENCE
- 著者
- 出版社
- 発行日1998年9月20日
- 定価1,078円
- ページ数455ページ
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著者紹介
概要
「EQ(こころの知能指数)」とは、知能テストで測定されるIQとは質の異なる頭の良さのことである。それは、例えば、他人の気持ちを感じ取る、自分の本当の気持ちを自覚し、心から納得できる決断を下す、といったような能力である。人生を大きく左右することになるこのEQについて、本書は詳しく解説する。仕事や家庭における常識を覆し、現代日本人の価値観に大きな影響を与えたベストセラー。
要約
2つの知性
我々の知性は、2種類ある。
1つは、事態をきちんと把握し、思慮分別をつける「考える知性」である。
もう1つは、衝撃的で、パワフルで、時に非論理的な命令を出すこともある「感じる知性」だ。
「感じる知性」と「考える知性」という分け方は、だいたい「心」と「頭」の区別に相当する。
何かが正しいと「心で」感じる時は、「頭で」そう考える時より確信が一段と強い。
理性と情動は相反する力関係にあって、情動が強ければ強いほど「感じる知性」が支配的になり、「考える知性」は無力になる ―― 。
* * *
怒りに身をまかせ、ナイフを何度も突き立て人を殺す。こうした“感情の爆発”は、非日常的な殺人事件に限らず、我々の日常でも時々起こる。
夫婦間で、あるいは同僚に対し怒りを爆発させた記憶はないだろうか。後で考えると、「どうしてあんなに頭にきたんだろう?」というような。
実は、その瞬間、脳の一部の「扁桃核」と呼ばれる部分が、あなたの脳を乗っ取っているのだ。
扁桃核は愛情をはじめ、全ての情動を支配しており、感覚器官を通して入ってきた信号を受けると、過去のトラブルの記憶をチェックし始める。