2009年11月号掲載
インテグレーティブ・シンキング 優れた意思決定の秘密
Original Title :THE OPPOSABLE MIND:How Successful Leaders Win Through Integrative Thinking
- 著者
- 出版社
- 発行日2009年8月21日
- 定価2,200円
- ページ数237ページ
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著者紹介
概要
ロジカル・シンキング(論理思考)の重要性を説く本は多い。だが、この思考法は、物事を単純化して結論を求めるため、月並みな結論に落ち着きやすい ―― 。そう指摘する著者が、安易に二者択一をせず、矛盾や対立から斬新な解決策を導き出す、「インテグレーティブ・シンキング(統合思考)」について解説する。世界12カ国で紹介された話題のビジネス書。
要約
インテグレーティブ・シンキングとは
今日のビジネスの世界で成功している創造的な人々の共通点。それは、「インテグレーティブ・シンキング(統合思考)」を行っていることだ。
この思考法を定義すると、次のようになる。
「相反する2つの考えを同時に保持し、対比させ、二者択一を避けて、両者の良さを採り入れつつ、両者を上回る新しい解決に導くプロセス」
では、インテグレーティブ・シンキングの達人は、実際にどんなふうに考えているのか。
この質問に答えるには、まず、通常の意思決定の手順を確認しておく必要がある。
我々は物事を決める時、次の4ステップを踏む。
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- ①重要なファクターを抽出する
- ②そのファクター同士の関係を分析する
- ③それを踏まえて総合的に検討する
- ④しかる後に決める
このステップに即して、インテグレーティブ・シンキングのプロセスを追うと ――
例えば、フォーシーズンズ・ホテルの会長兼CEOイサドア・シャープがホテル業に進出した当時、ビジネスモデルには2つの選択肢があった。
1つは200室未満の小型ホテル。もう1つは、750室以上の大規模な複合型ホテルである。
それぞれに良さと弱点があった。家庭的な小型ホテルは、会議室や通信機器を必要とするビジネスマンには適していない。一方、大型ホテルは、人情味の乏しい冷たい雰囲気になりがちだ。
彼は、欠点を容認するのはどうしても嫌だった。