2010年4月号掲載
論点思考 BCG流 問題設定の技術
著者紹介
概要
ビジネスにおいて、直面する課題をうまく解決することは大切だ。しかし、より重要なのは、数ある問題の中から、本質的な問題、解くべき問題、すなわち「論点」を見つけ出すことである。本書では、この論点を見いだすためのプロセスを、事例を挙げながら、わかりやすく解説する。問題をいかに効率的・効果的に解決するかを論じた前著『仮説思考』と対になる1冊。
要約
「論点思考」とは?
問題解決は、仕事で成果を上げる際に重要だ。
しかし、あなたが今、解いている問題は正しく設定されているだろうか。設定を間違えていたら、その問題を解いても成果は得られない。
世間では問題解決の重要性が説かれ、そのための手法を解説した本が書店に並んでいる。だが、問題を解く前に重要なことがある。問題のように見えるものから、真の問題を発見することだ。
この真の問題のことを「論点」、そして論点を設定するプロセスを「論点思考」という。
論点の中でも、最上位の概念は「大論点」と呼ばれる。大論点とは、最終的なゴールである。
大論点の下には、その大論点を解決する上で明らかにすべき点や解決すべき問題がいくつもある。これらは「中論点」、あるいは「小論点」と呼ばれ、大論点を現場や実務担当者のレベルの問題にブレイクダウンしたものといえる。
大論点を意識しつつ、自らの問題、つまり中論点・小論点を把握することこそ、現代のビジネスパーソンに最も必要とされる能力である。
この論点思考では、次の4つのステップを踏む。
- (1)論点候補を拾い出す
- (2)論点を絞り込む
- (3)論点を確定する
- (4)全体像で確認する
ただし、常にこれら全てを行うわけではない。時と場合に応じて、必要なステップのいくつかを使う。また、順番も行ったり来たりする。
論点候補を拾い出す
論点思考のプロセスのうち、(1)~(3)は主に論点を設定する部分である。